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【愛知】

当麻曼荼羅図を初公開 千種・相応寺の写本、徳川美術館で

2011年6月8日

相応寺以外で初めて公開された江戸初期の学術的にも貴重な当麻曼荼羅図=名古屋市東区の徳川美術館・蓬左文庫で

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 名古屋市千種区の相応寺に伝わる江戸期最古とみられる「当麻曼荼羅図(たいままんだらず)」が、東区の徳川美術館・蓬左文庫の「建中寺と尾張徳川家ゆかりの寺院」展で公開されている。寺でも一般にほとんど公開されたことがなく「仏教美術の研究者や宗教家にも未知の存在」(同館)の作品。同展のための寺院調査で所在が確認され、今回が同寺以外で初公開になる。

 当麻曼荼羅は阿弥陀(あみだ)浄土図の一種で、仏教の極楽浄土を絵画的に表現した。奈良県の当麻寺には、奈良時代後期か唐時代に作られたとみられ、図像部分が4メートル四方の錦で織られた大きな画幅を持つ国宝の曼荼羅図が伝わる。この写本が後の時代に作られ、当麻曼荼羅と呼ばれている。

 今回展示されたのは、絹本に描かれ、後世に当麻寺に伝わる国宝と同等の大きさで作られた写本で、1645(正保2)年の作と裏面に記された曼荼羅図。この大きさの写本が作られた例はわずかで、貴重な作例という。尾張徳川家の初代義直の生母、相応院お亀の方の供養のために奉納された。

 調査に当たった同館の志賀太郎学芸員は「制作年や由緒もはっきりしており、研究面からも重要な絵画作品」と評価している。展示は28日まで。29日〜7月24日は同寺所蔵で、1652(慶安5)年作で図像部分が4メートル四方の大幅の釈迦涅槃図(しゃかねはんず)も展示される。

 (黒谷正人)

 

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