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「きれいごと」と「ごまかし」は違う=魂の3部作完結

2011/06/23 13:05

 

 

きょうも暑いですね~。

私は今、埼玉県加須市にきています。

 

福島県双葉町が役場機能ごと避難してきている旧県立高校です。

ここにさっきまで、東京電力の新旧社長が交代のあいさつにきていtので取材し、さきほど出稿したので、ついでにと本日でついに最終回を迎えた連載企画「いじめはなくせるか」をアップしようと思います。

 

写真や所感はあとで追加します。

取り急ぎ、記事だけ。

 

 

 

 

 

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【いじめはなくせるか-さいたま市教育長の挑戦】(下) 「きれいごと」と「ごまかし」は違う

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2011.6.23 12:03
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 「どの人間関係にもけんかやトラブル、人の好き嫌いは必ずあるし、それをなくそうとは思わない」

 

 今月16日、さいたま市教育長の桐淵博(58)に改めてインタビューすると、意外な言葉が返ってきた。いじめ撲滅に情熱を傾けるベテラン教育者が子供のけんかやトラブルを肯定するとは、いかなる考えに基づくものなのだろうか。

 

 文部科学省のいじめの定義は、平成5年までは「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実を確認しているもの」。しかし、18年度からは「一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」に変わった。

 

 桐淵も「この定義では、けんかやトラブルでも、ある局面ではいじめとして理解される」との認識だ。ということは、いじめと“紙一重”の部分まで肯定することにならないか。

 

 しかし、桐淵は強調する。「ただ『みんなで手をつないで仲良く…』というだけの指導では、私のいう『きれいごと』ではなく、『ごまかし』にもなりかねない。それでは何の意味もない」

 

 さらに、「だからこそ大事なことは、教師が子供に『魂の話』をすること」と説く。「魂の話」とは「人として大切なこと、やっていいことといけないことの話」であり、桐淵のいう「きれいごと」だ。

 

    ■■■

 

 「自分と同じ人間はいません。(中略)でも嫌いだからといって、その人に嫌がらせをしたり、いじめたりすることは、人としてやってはいけないことです。恥ずかしいことです。まして、人をさそってみんなでいじめるなどは、とてもひきょうな行いです」

 

 昨年11月18日、さいたま市教委が児童生徒向けに出した「緊急アピール」の文面だ。「いじめは人間が取り得る行為の中で最も卑怯なもの」という桐淵の信念が、端的に示されている。

 

 アピールを出したのは、昨年10月、群馬県桐生市の小6女児=当時(12)=がいじめを苦に自殺したからだ。桐淵はさいたま市の子供への連鎖を恐れた。「死んだ人が生き返る」などと本気で考える子供が相当数に上るという文部科学省のデータがあるように、現代の子供の死に対する考え方は非常に未熟であることも心配だった。

 

 だが、理由はそれだけではなかった。3年前、さいたま市立中3年の少女が自殺したことが常に胸の内にあったからだ。

 

「事故だろうが病気だろうがいじめだろうが、とにかく子供たちを死なせたくないんだ」。

 

あのとき、子供の命が失われたことに対する桐淵の深い悲しみと後悔は、ここで生かされた。

 

    ■■■

 

 緊急アピールは市立小中学校の全学級で担任が朗読し、保護者にもプリントで伝えられた。その結果、いじめ認知件数が同年10月には28件だったのが、11月には41件に急増した。

 

 市教委でいじめ問題を担当する指導2課の指導主事、斉藤有実子(44)は「あのアピールで、いじめを相談できない雰囲気をかなり取り除けた。その結果だと思う」と振り返る。

 

 斉藤は教諭として校長時代の桐淵に仕えたことがある。よく校長室で泣きながら部活運営について相談した。今は市教委で再び上司と部下の関係だが、「問題に対してはもっと攻めろ。解決のアイデアを持ってこい」と発破をかける桐淵にグループで持ちかけたのが、現在展開中の「いじめ撲滅強化月間」のアイデアだ。

 

 採用された啓発ポスターの図柄は、粉々になったハートマ

ーク。これまでにない生々しさだが、これも斉藤らの発案。「いじめによって破壊された心をリアルに感じてもらいたい」と桐淵に強く提案し、採用された。こんなところにも、「ごまかし」と「きれいごと」を峻別する桐淵の思想が受け継がれている。

 

 斉藤の上司、指導2課長の野口浩(54)はいう。「いじめ対策には特効薬はない。でも、あまり不安はない。私の後にも、桐淵教育長の『魂』を受け継いだ教職員がたくさんいるから」(安岡一成)

 

   =敬称略、おわり

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中3自殺の教訓 絶えず啓発=連載第2弾

2011/06/22 14:59

 

みなさま

 

お待たせしました。

大変ご好評をいただいております、

さいたま市のいじめ連載企画第2弾です。

 

 

「あの記者があんないい記事を書くのか」

と驚いた市関係者がいるという話しも伝わってきてます。

 

どういう意味なんでしょうかね~。まあいいけど~。

ほほほ~。

それでは、いってみよーかどー。(ともちん、8位、ザンネン)

 

 

 

 

【いじめはなくせるか-さいたま市教育長の挑戦(中)】中3自殺 学校生活の中で絶えず啓発

2011.6.22 11:39

 「生きることに疲れました。周りの人も私がいないと楽でしょう。私は◯◯中学校が大大…大嫌いでした。プロフにあんなことを書いた◯◯さんたち、復讐はきっちりしますからね」

 

 平成20年10月、さいたま市立中3年の女子生徒=当時(14)=がこんな遺書を残し、自宅で首をつって自殺した。

 

自殺の3カ月前にネット上でいじめを受けていたが、その後はいじめた生徒とも和解し、登校も続けていた。このため市教委は「いじめと自殺の直接の因果関係はない」と説明したが、当時は大きな反響を呼んだ。

 

 あれから3年、この学校の教諭らはどんな思いでいじめ防止教育に臨んでいるのか。取材を申し入れたが、校長は「彼女の自殺と結びつけるなら…」と難色を示した。

 

 残念ながら、その後もいじめを苦にした子供の自殺は、なくなっていない。昨年10月には、群馬県桐生市の小学6年生の女児=当時(12)=が自宅で首をつって自殺している。

 

女児は母親の国籍などを理由にクラスで無視されるなどのいじめを受けていた。

 

 

 ただ、さいたま市教委関係者はこう証言する。「あんなことがあったからこそ、あの学校は懸命にいじめ教育やっている。教員は必死ですよ」

 

    ■■■

 

 「いじめ、争い、差別をなくすためには何をすればいい?」

 

 同市岩槻区の市立上里小学校6年1組の教室。担任教諭の増田耕一(50)の問いかけに、37人の児童たちは次々と挙手し、意見を述べていく。

 

 「自分勝手はダメ」「けんかを止める勇気を持つ」「一人ひとりが意見を持ち、認め合う」…。

 6月は子供たちの緊張感がほぐれ、それぞれの個性が明確になってトラブルが目立ち始める時期。月別のいじめ認知件数が1年で最も多くなるこの時期を狙って、市教委は市立小中学校の全学級で、いじめを防止するにはどうすればよいかを考えさせる授業を行っている。全員が標語を考え、市教委が作製した啓発ポスターに張り出し、教室や校内に掲示する。

 

 この日はいじめが発生したクラスの様子を描いたドラマを視聴し、なぜこうなったかを話し合った。児童のほぼ全員が積極的に意見を述べる様子からは、このクラスに問題があるとは思えなかった。

 

 ひと通り結論が出そろったところで、増田は表情を硬くさせてクギを刺した。「でも、からかわれたり乱暴なことをされて困っている子がこの教室に3人います。ビデオの内容はひとごとじゃないんじゃない?」

 

 一瞬、シーンとなる児童たちに増田は優しく語りかけ、授業を締めくくった。

 

 「はい、ここで犯人捜しをしてはダメ。いいクラスに向かって、仲間と成長しよう!」

 

    ■■■

 

 授業に先立ち、同校では「楽しいクラスにするためのアンケート」を実施していた。「今、こまっていることや、なやんでいることはありますか。(ア)勉強のこと(イ)からかわれたり、らんぼうなことをされたりする(ウ)仲間に入れないことがある…」。

 

 増田のクラスでも、3人が悩みを打ち明けていた。ただ、子供たちにいじめ問題を考えさせるのに、架空の世界と現実世界のどちらを議題にするべきなのか。

 

 「自分たちのことを題材にすると、現実的すぎて活発な意見は言えなくなる。一方で、ドラマは結局はドラマの世界への意見だから、出てくるものは建前に過ぎないのかもしれない」。増田はこう認めるが、「だからこそ、毎日の学校生活の中ですり合わせをやっていかなければならない」と強調する。

 

 これまではいじめ防止の標語は年に1回、クラスで代表作を1つ作ったらおしまい。標語は「すり合わせ」に生かされることなく腐っていたのが現実だ。

 

 今回、増田は児童が考えた標語はクラス全員のものを掲示するつもりだ。「子供たちって自分の言葉を紹介されたらうれしいし、はりきるもの。今回の企画には感謝している。これまでの自分のいじめ教育を見直し、成長させてくれた」と語る。=敬称略

 

(安岡一成)

 

 

 

 

次回はついに完結・・・感動の最終回!

自分で言うのもあれだけど、泣かせのツボは押さえてます(^_-)

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「きれいごとでもいい。語ろう」

2011/06/21 17:10

 

きょうはとても暑いですね。

寝不足で二日酔いの私にはとてもこたえます。

「節電の夏」が乗り切れるか今から不安です・・・。

 

さいたま市では現在、

全員参加!乗り切ろう電力危機

と銘打って節電を呼びかけています。

 

私ねえ、ひねくれ者ですからねえ、この「全員参加」とか「1つになろう」とかを立場のある人や機関が呼びかけるのがだいっきらいなんですけど。

事態が深刻なら、そんなこといわれなくったってそうするよ、と思ってしまうんです。

 

とくに、行政は「一人ひとりは個性があって違います。その違いを認め合おう」とか言うくせに、ここでは「全員参加」ですか。

 

 

昨年の夏は埼玉県では熱中症によりお年寄りが室内でたくさんなくなったと聞きます。

 

ああ、このスローガンを真に受けたお年寄りが節電の余り、命まで危険にさらされないことを願うばかりです。

 

 

 

 

 

 

さてと、オープニングトークはそこまでにしてと。

本日から3日連続で、さいたま市教育委員会のいじめ対策の取り組みを紹介する連載を埼玉県版で始めました。

 

私にとって、一番燃える取材・記事は「スクープ」ですが、

こういう記事のように「書きたい」と思ったことをニュース記事では書けない部分まで書ける連載記事も今回改めていいなあと思えました。

 

 

 

 

 

執筆のきっかけは、記者会見で桐淵博教育長が発した言葉でした。

とにかく私、記事に使おうと必死でメモして、聞き取れなかった部分を「あ、さっきなんと言いました? もう一度お願いします」と聞き直してしまいました。

 

この言葉がなんで自分にとって引っかかったのか。

それは記事の中でつづっていますが、本当に、今回は桐淵さんの熱意と人柄に動かされました。

 

私も桐淵さんに負けないように、魂を込めて執筆したので、どうかぜひお読みになって、ご感想をいただけたらと思います。

 

私も子供の頃、こんな先生に出会っていたらもっとマシな人間になってたかも・・・こんな感情もありつつ。

 

 

 

 

 

 

【いじめはなくせるか-さいたま市教育長の挑戦(上)】

 

「きれいごとでもいい。語ろう」

 

2011.6.21 14:02

 524日、さいたま市役所で市教育長の定例記者会見が行われた。一般的に、自治体の定例会見というものは自治体側からの「お知らせ」が多く、記者の側があまり関心を示さない話題もある。しかし、この日はなぜか違った。

 

 「子供の成長過程でけんかやトラブルはつきもの。ただ、いじめという卑怯な手段だけはなくしたい。『いじめはなくならない』との考えもあるが、『そんなことはやめようよ』との声を大にしていきたい」

 

 発表者は、市教育長の桐淵博(58)。その内容は、1年のうちで6月が最もいじめの認知件数が多くなることを受け、市教委が6月を「いじめ撲滅強化月間」と銘打って実施する取り組みについてだった。

 

 桐淵の言葉を書き漏らすまいと、記者の多くが必死でノートにペンを走らせた。翌日以降、この会見を記事にした複数の新聞紙面には、ほぼ同じコメントが掲載されていた。

 

 一定の経験を積んだ記者なら、これまで数々の「いじめ対策」を聞いている。しかし、正直言ってその多くはありきたりのものだ。

 

 桐淵の言葉が記者の心に響いたのは、「いじめがいけないのはなぜか」という記者の問題意識に対する答えが、明確に示されていたからに違いない。

 

    ■■■

 

 「私は、本音を言わせないまま卒業させてしまったんだなと。彼の言葉を聞いたときは、涙が止まらなかった

 

 61日、同市浦和区の市教育研究所。若い教諭や教職志望者を対象にした研修会「教師力パワーアップ講座」で講演した桐淵は、かつての現場経験を思い出し、声を詰まらせた。

 

 クラスメートから集団でいじめられていた生徒。担任として精いっぱいの対応をしたつもりだったが、成人後に再会したときに発した言葉は、「あの頃は地獄だった」というものだ。

 

 こんな苦い思い出を紹介しつつ、いじめられている子供たちへの対応の仕方を切々と訴えた。「いじめでプライドを傷つけられた子供の痛みを分かってあげてほしい。そして、そばに寄り添ってほしい」

 

 講演は予定時間を超えていたが、桐淵は「もう少しだけ」とさらに自身の体験談や好きな言葉などを語り続け、こう締めくくった。

 

 「教師は、人間として何が大切かを語ろう。きれいごとでもいい。きれいごとを誰も言わなくなったら、それこそ変な世の中だ」

 

    ■■■

 

 「私はあの頃、大人たちが信じられなかった」

 

 桐淵の講演を最前列で聞いた女性(24)はこうつぶやき、涙をぬぐった。社会人3年目だが、空回りの日々に限界を感じ、転職を考えている。この日は教育の道も選択肢の1つと考え、飛び入り参加した。

 

 中学時代、クラスメートにいじめられた。無視されたり、私物がなくなっていたり。「女子校特有の陰湿ないじめ。でも自分の性格も悪かったから」。今となってはこう笑い飛ばせるが、一番頼りたかった担任に、見て見ぬふりを決め込まれたのは辛かった。

 

 「思春期に親に心を開ける子供はそんなに多くない。だから、教師は身近にいる数少ない『大人』。教師こそ人生のすばらしさを語ろうという桐淵さんの話に感銘を受けたし、そういう先生に出会いたかった」

 

 桐淵の魂は、確かに参加者の心に届いたようだ。参加者の感想文には「今までいじめ解決のテクニックばかり考えていた」「子供に信念を伝えたいという気持ちが伝わってきた」などの言葉が並んだ。

 

 こんな反応をみていると、さいたま市のいじめ対策は順風満帆と思えなくもない。ただ、市の教育関係者にとっては、忘れることのできない過去がある。=敬称略

(安岡一成)

 

      

 

 さいたま市では、1年のうち最もいじめの認知件数が多いのが6月。いじめ撲滅に情熱を傾ける桐淵博教育長を中心に、いじめ対策に取り組むさいたま市教委の真剣勝負に迫る。

 

 

 

 

 

 

 

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ムチャぶり! それはムチャぶり! ニュース記事に関連したブログ

2011/06/13 02:02

 

 

 

画像を変更しました。

こないだドンキで買ったおぼっちゃまくんの茶魔の貯金箱です。

小学生のころ、コロコロコミックよく読んでましたから。25くらいのとき、女性に「茶魔に似てる」と言われたことも。

 

 

 

 

 

 

さて、みなさま、ご無沙汰していました。☆⌒(*-)v

 

あいも変わらず仕事に追われる毎日ですが、最近はゴルフにハマリ、休日はキレンジャーとツルンで打ちっぱなしに出たり、仕事後は「飲んで飲んで飲まれて飲んで」を繰り返しておりました。

 

 

仕事をしてないわけではありません~。

さいたま市に来てはや半年が過ぎ、私も少しは存在感を示せてきたようです。

 

駅前で言論活動をしている皆さんには大きな垂れ幕に名前を書いてでかい声で批判されたり、

夜に街を歩いているとさいたま市政関係者に「あっ!」と指さされ、そのまま飲みに連行されたり(一緒にいた国政関係者は長澤まさみに激似(;゚Д゚)! とても楽しかったけど)、

後輩記者が県警幹部に「最近、産経さんはさいたま市のことをよく書いてるね」と言われたり…。

スミマセン、ちょっと自慢でした。

 

 

 

 

 

7月には知事選もあります。上田清司知事が3選するかが焦点ですが、それに向けての取材も始まります。

取材のスケジュールや連載企画もすでにバッチリ絵を描きました。

弊紙は人員では他紙に劣るとも勝りませんが、中身では勝るとも劣らないものをご提供したいと思います。どうか、埼玉県民の方の新規ご購読をお待ち申し上げます。

 

 

 

あ、先日、うちの総局デスクが知事選に関してコラムを産経エクスプレスの方で執筆していましたので関連記事でご紹介しておきました。

後輩記者とはもちろん私です~。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

さて今夜は、以前からずうっと気になってたことをご紹介したいと思います。

 

しれっと、実にしれっと、全国の自治体で同じような「ムチャぶり」が行われているかもしれません。

 

それでは、以下の紙をご覧ください。地震発生から半月が経過した4月7日に、さいたま市で発表になった震災復興費についてです。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて書いてあるかというと、さいたま市の地震に伴う職員の人件費が8億いくらというのです。

それに対してここには書いてないけど、被災地に送った支援費が2000万円というのです。

 

 (メ・ん・)?地震で職員を何人どのくらい不眠不休で働かせたのかしらんけど、いくらなんでも本末転倒な額じゃないか? 

 こう思った私は記者会見で清水勇人市長にぶつけてみました。

以下、そのやりとりです。

産経新聞 「すみません、復旧対策の事業費163900万円の内訳で、職員配備その他、要するに職員の人件費が一番多いみたいなんですけど、市長、この件についてなにか、どういうふうに考えていらっしゃいますか」

 

 清水市長 「今回ですね、災害対策本部をつくって、当初停電でありますとか、あるいは原発のそれぞれの事故の対応ですとか、宿直であるとかですね、いろんな形で職員の、いわゆる業務体制をですね、強化をして、とにかく市民のみなさんに負担を与えないようにということで取りくませていただきました。そういう意味で、人件費の分が多くなったということではないかと思っています」

 

 

産経新聞 「ただ、これがあまりに多い気がしますけど。復旧事業費が被災地支援とかよりもこれが断然多いような気がしますけども、そのへん妥当かどうかについて」

 

 

 清水市長 「そうですね、これまでの対応については、やはり先程もご説明の中で申し上げましたけれども、電話などについても24時間対応ですね、特に計画停電の部分についてはかなりの問い合わせが連日来ていたり、あるいはその後の原子力発電の、そうしたいろんな事態の中で多くの市民の皆さんが不安を感じてご連絡をいただいたりということで、やはり応報の提供ということがですね、これをきちっとしていくということが市民の皆さんの生活の安心安全を確保するための大変重要な要素であるということも考えておりましたし、人という、危機対応していくためにはやぱり人という部分が大変重要な要素ということもあって、こういった結果になってきたというふうに思ってますけども、今後ですね、今後につきましては継続して設置をしておりますけれども、かなりそういう意味では少し陣容については、宿直などは縮小してですね、いろんな災害に対応ができる体制を取りつつも、そういった人件費などの費用負担にならないような形での対応を今取り始めてきているところです」

 

 

産経新聞 「その給与体系を改めるとか、そういうふうなお考えはないですか」

清水市長 「給与体系を改めると…」

 

 

産経新聞 「だから、仕事量が増えたから残業代を支払わなければならない。これはそのとおりだと思うんですけど、ただ、事業費の半分以上が人件費だということが市民の理解を得られるかどうか。何か決まりにのっとって支給しているもんだとは思うけども、その決まりを改めるというふうには考え方はないでしょうか」

 清水市長 「それは・・・・・・・・対応を改善すると、こういうことですね」 

 

 

産経新聞 「対応を改善することで減らしたいという」

清水市長 「ということですかと」

 

 

産経新聞 「違う。給与体系があって、払わなけれればならない決まりがあるから払っていると思うんですけど、その決まりが余りにも大盤振る舞いじゃないかというふうな気がするんですが」

 

清水市長「基本的には、その基準に則って支給をしているものでありますので、今後、災害対策としては職員派遣を業務としてするケースもあるし、また職員が休暇をとってボランティアとして参加をするケースなども積極的に実施をしていきたいというふうに思っていますので、これまでについてはそういう意味で非常に3月11日以来さまざまにいろいろ危機が生じていくなかで、

 それなりの体制をとって市民の不安を解消し、適切に対応しようということで行ってきた結果である

ということで

ご理解をいただきたいと

 思っております。ほかにはいかがでしょうか」

 

 

 

 

なんともわかりにくい回答です。

警察官とかをのぞく公務員にとって残業ってあまりないことなので、残業したらすごい高値の残業代がつくシステムになっている訳でしょ?

そのシステムのままで普段やったことのない残業をやったら総額がふくれあがるに決まってるじゃないですか。

そんな杓子定規を民間がやったら会社潰れまくりですよ。

 

 

しかも「ご理解頂きたい」

これほど気に入らない役人言葉はありませんね。

理解できないからケチを付けてるわけでしょ?

 

 

 

 

吉田一郎市議の質問で明らかになったのは、

4285の職員が計9万9973時間の時間外勤務を行い、そのうち代休で処理できなかった

9万0768時間分の残業代が支給されたそうです。その総額は4億3832万円。

 

  ちゅーことは、単純計算で、職員の平均時給は約4800(;゚Д゚)! 

 

 

 私、以前、給料日に社会部のエラい上司と先輩に「おまえ、時給いくら?」と給与明細をのぞき込まれたことがあります。先輩方はニンマリした表情で「いちおう、正義はあったな」と言いました。

この4800円、市民から見て「正義はあった」と言えるのでしょうか? と言ったら言い過ぎでしょうか。

 

 

 

 

吉田一郎市議は最近出した市政レポートの中でこう書いています。

「被災地への救援物資が2200万円で職員のの残業手当は4億4000万円 いくらなんでも逆だろ?」

 

「民間企業ではサービス残業がまかり通ってますが、労働法規を守らせるべき立場の官公庁が、率先して違反をするわけにはいきません。しかし、もしさいたま市で大震災が起きて被災地になった場合、現状のままでは莫大な時間外手当を支払わねばならず、災害復興の足かせにもなりかねません」

 

 

この件、うちの総局長に話したら「社会面で書いてやれ」と言われましたが、もっと早く相談すればよかったなといまさら後悔しています。

 

 

 さいたま市の幹部とも酒の席で議論しました。

酔っぱらいだったので、詳細な中身は覚えていません。

でも、ずいぶんと反論されたことと、その人から後ろめたさみたいなものはあまり伝わってこなかったことだけは覚えています。

しっかり仕事したんでしょうきっと。誇りなんでしょう。でも一市民の言葉に耳を傾けない姿勢を目の当たりにして、「まだまだ我々メディアは仕事の余地があるな」との感情を禁じ得ませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蛇足ですが、同じ記者の中にも「国の会計検査院の指針でこうなっているから仕方ない。市長はそう言えばいいのに」と私に反論する方がいらっしゃいました。どこのだれとは言いませんが…。

 

あのね、「仕方ない」がまかり通っていいんなら、記者はいらないんですよ。

 

世の中の不条理を少しでも改善するために「よらしむべし、知らしむべからず」体質の役人を突っついて情報を出させるのがメディアの使命でしょうが。

 

だから役人に舐められるんだよ!

 

 

 

あくまでも一般的な話をすると、記者の中には記者クラブにこもりっきりで発表ものを処理するだけの記者がいることは確かで、そんな記者ほど、紙面で当局批判はこれっぽっちもできないくせに、会見の時には自分の親ほど年上の役人を前に、ぞっとするほど居丈高になる。そんな記者はたくさん見てきました。こんな光景にはほんと、反吐が出ます。

 

 

 

 

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関連ニュース

続・続・ヘビスモの女性記者につきあってみれば

2011/05/23 22:21

 

私、前エントリでとんでもないことをしてしまいました。

さいたま市役所の砂糖さまには心よりおわび致します。

 

いつもお世話になっている長身職員Mさんから

「さとうさんはマジで砂糖さんなんだって」と言われました。

 

 

 

ブログをみたMさんが職員名簿で調べたところ、名前はなかったそうなんですが、

マジで「砂糖さん」とお書きするそうです。

 

 

 

すいません、砂糖さん、大変失礼しました!

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続・ヘビスモの女性記者につきあってみれば

2011/05/22 16:59

 

本日はデスク番で、総局にて留守番をしています。

浦和駅西口、エイペックスタワーからの景色は雨でどんより。

窓のしずくが小さく震えながら流れていきます。

 

このところ、仕事に関する話ばかりで、しかもローカルな話ばかりだったので、久しぶりに駄エントリでも放っておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

その前に、さいたま市の与野公園でバラが満開になっていたので、その記事とともにきれいな写真をお届けします。

 

さいたま市中央区本町西の与野公園のバラ園に、143種類約3000株のバラの花が咲き乱れ、大勢の見物客でにぎわっている。

 与野公園は明治10年に開設された約5万平方メートルの公園で、桜とバラの名所として知られている。

 少し汗ばむくらいの陽気となった19日、園内にはそよ風に乗ってバラの香りがほのかに漂っていた。訪れた大勢の子供連れやお年寄りらは、赤や白、黄色、ピンクなど鮮やかな大輪のバラを眺めては「本当にきれいだね」などと感嘆の言葉を漏らしていた。

 

 

 

 

バラの香りって、なんか自分の中ではポピュラーすぎて、シャンプーやボディソープを買うときには避けていました。

 

でも、今回、写真を撮影しながら、はじめて知りました!

バラの花ってこんなにいい香りがするんですね。

すっごい甘い香りで、ちょっとクラクラきました、いやまじで。

 

なかでも、「アンネの日記」っていう種類のは、色んな色が混じっていて、すごい綺麗でした!

 

 

ほんと、いいデートコースになります、ここは。

 

ただ、ここは駐車場が少ないのでご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

それでと、駄エントリ、駄エントリ。

さいたま市政クラブにいるものすごいヘビースモーカーの女性記者(以下、へ)なんですが、いつも連れ○ョンのようにタバコ吸えない私を誘ってきます。

 

ついこないだも「安岡さん~タバコ~」とか言うので、しょうがなく111階の喫煙所について行き、雑談・密談をしながら壁の掲示物を見ていたところ・・・。

 

 

 

 

私「おい、なんだこれ」

ヘ「え、なにこれ」

私「さとう?」

ヘ「砂糖?」

 

と顔を見合わせ、大爆笑してしまいました。

 

 

 

 

たしかに、砂糖だった・・・。

チェックが甘いのでは?

 

べつにいいんですが…。

 

 

 

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感動の結末! 続・公選法違反天国・さいたま市

2011/05/20 19:00

 

きょうはいい天気でしたね。

さあ、前回の続きを書きましょう。

 

埼玉改援隊ののぼり問題を受けて、当選後、初めての議会で緊急質問が出され、いきなり大もめになりました。

 

その様子を聞いていて、感じたことをまとめ、以下のような記事を作成しました。

 

 

11日に閉会したさいたま市の臨時議会は、4月に当選したばかりの市議が公職選挙法違反容疑で書類送検され辞職したり、清水勇人市長が代表を務める政治団体「埼玉改援隊」のポスターやのぼり旗の掲出方法をめぐり緊急質問が出たりと、公選法が大きくクローズアップされた。その議論の中で浮かび上がったのは、選挙の要ともいえるPRの手法に関しては、「抜け道だらけで見事なまでにザル法」(ある市議)という実態だった。(安岡一成)

 

市議会で詰問

 「そんなことで職務を果たしていると思いますか、委員長!」

 10日、緊急質問に立った自民の青羽健仁市議は、村井勝美・市選挙管理委員会委員長を激しく詰問した。

 

 青羽市議は、市議選の選挙期間中(4月1~9日)、確認団体ではない改援隊のポスターなどを市内で発見したとして、「公選法に抵触する可能性がある」と市選管に伝え、「自民党市議団長として」(青羽市議)善処を求めた。ところが、市選管は「青羽氏から抗議があった」と清水市長に報告しただけで、調査などは一切行っていなかったのだ。

 

 また、無所属の吉田一郎市議は、清水市長が改援隊ののぼりの前で演説する写真を質問の中で紹介し、「これは違反か」と村井委員長に一つ一つ確認。こんな“弾劾裁判”のようなやりとりの後、清水市長に「どう責任をとるのか」と迫ったが、清水市長は一言、「埼玉改援隊としてはやっていない」とにべもない返事だった。

 

 

「誰でもやってる」

 公選法違反の疑いがあるとして議会で追及されたのは、(1)改援隊が告示前に街頭に掲示した清水市長の顔写真入りPRポスターが、選挙期間中も撤去されず残っていた(2)告示後、改援隊推薦候補の陣営関係者が清水市長の応援演説を受ける際、改援隊ののぼりを手に持って掲げた-の2点。青羽市議は(1)、吉田市議は(2)について説明を求めた。

 

 市選管によると、公選法では、改援隊のように確認団体でない政治団体は選挙期間中、ポスターやのぼりなどを屋外に掲示してはならず、団体の構成員が候補者の応援演説をする場合には、のぼりや立て札などは選挙カーに取り付けたものしか認められない。

 

 この規定に沿って、村井委員長は(1)に関しては、ポスターなどは告示前に張ったものなら告示後に撤去する義務はないと説明。(2)については、「一般的に言って抵触する」と答弁した。ある市議は(1)について「バレなければやりたい放題だな」とヤジを飛ばし、(2)については、産経新聞の取材に多くの市議が「それくらいのことは誰でもやっている」と口をそろえた。

 

 

決議模索の動きも

 市選管によると、市民からの通報を受けて選管職員が現場で事実を確認し、違反行為があれば指導を行う。それでも改められない場合は警察に通報するが、立件の判断は警察が行う。

 

 違反の芽を摘むのが選管の役割だが、市議会で村井委員長は「改援隊について現認したものはない」と述べた。改援隊ののぼりが選挙期間中、違法に掲げられていたのは多くの市民が目撃しているだけに、「現認していない」とはプロの発言として妥当だろうか。

 

 さいたま市での次の選挙は、予定通りならば平成25年の市長選となる。市議選以上に熾烈(しれつ)なPR合戦が予想されるため、一部会派では県警の選挙違反取締本部が解散するタイミングを狙って、公選法の抜け道を利用することなく節度ある選挙活動を行う決議案の提出を模索する動きもある。

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要するに、見出しの通り、「公選法はPRに関しては抜け道だらけ、ばれなきゃOKの世界」ということです。

 

それは、「正直者が馬鹿を見る」世界でもあります。

 

選管は、「違反があると市民から通報を受け、現場に急行し、その場で現認したものを注意し、警告を出し、それでもやめないなら警察に通報する」というスタンスです。

 

つまり、違反の芽をつむ役割を有しているのです。

 

なのに、記事にもあるとおり、「埼玉改援隊の旗については、違反を確認していない」というのです。

あのね、埼玉改援隊は告示日と最終日、もっとも人出のあるJR駅前を狙って街頭演説やったんだよ。

確認していないなんてあり得ますか?

 

 

 

 

なお、写真の青羽議員の写りがかっこよすぎるとの指摘もありました。これは奇跡の1枚です。

 

たまたま左斜めにいる議員に指さして「お前もそうか!」とか言ったときに写したものです。

 

だいたい質問者が執行部のほうを向いて質問するスタイルなので、普通に撮ったら顔が写らない。まったく記者泣かせです。

 

 

 

 

 

 

 

次の矢が飛んだところは、現職議員でもなく、市長でもなく・・・

なんと!!

落選した議員のところでした。

 

 

普通の落選議員なら記事にはならないのですが、

この人は北村市議の辞職にともない、繰り上げ当選の対象者だったのです!

なら、当然に注目度も高くなり、ニュースバリューもあがるってなものです。

 

その記事が、これ。

 

 

4月に行われたさいたま市議選で、公職選挙法違反の疑いで埼玉県警に書類送検された北村隆幸氏(42)=無所属、岩槻区=の辞職に伴い、繰り上げ当選の対象となっている前職で民主の高野秀樹氏(50)が、投票日後に書き込んだ自身のブログに、公職選挙法に抵触する恐れのある記述があることが分かった。ただ、同様の書き込みは他の市議にも見られ、今後、大きな議論に発展する可能性もある。

 

 高野氏は自らのブログに、投開票日翌日の11日午前0時25分、「ありがとうございました」のタイトルで「応援いただいた皆さまには、心からのお礼とお詫びを申し上げます。とりあえずは、ご報告まで。」と書き込んだ。5月13日午後7時半時点で書き込みは残っている。

 

 公職選挙法では、選挙期日後に当選、落選に関してあいさつする目的で文書頒布することなどを禁じており、違反した場合は30万円以下の罰金と規定している。

 

 このため、一般的には「ご支持、ご支援をいただきました皆様に、心より御礼感謝の言葉を申し上げたいところではございますが、公職選挙法の規定上、御礼の挨拶を行うことが禁止されております」(三神尊志市議)のようなスタイルでつづるケースが多い。市選管は、高野氏の書き込みについて「一般的に言って、公選法に抵触する可能性が高い」としている。

 

 市選管によると、高野氏の繰り上げ当選が正式に決定するのは20日。ただ、一部会派ではすでに、高野氏の議員辞職勧告決議案を提出する準備を進めており、市議会の混乱は必至だ。

 

 高野氏は旧岩槻市議を経て、さいたま市議としては1期務め、4月の市議選では次点だった。

 産経新聞の取材に対し、高野氏は「当選のお礼を述べてはいけないことは知っていたが、落選してもやってはいけないとは知らなかった。ただ、ほかの議員もやっている」と釈明した。

 

 13日午後7時半の時点で、他のさいたま市議のホームページやブログでは、自民の鶴崎敏康市議が「ご支持・ご声援頂きまして誠にありがとうございました」と、公明の宮沢則之市議も「みなさんの、心からのご支援をいただき、2期目の選挙で、当選することができました。感謝!感謝!感謝! 大感謝!です」と書き込んでいるのが確認できた。

 

 

 

 

 

 

 

要するに、公選法では当選、落選にかかわらず、支援者に向かって「ありがとう」ということができない決まりらしいです。

 

私からしたら、社会通念を著しく逸脱したとんでもねえ悪法だな、と思うのですが、結局、次の選挙のための事前運動になってしまうというわけです。

 

落選した議員にまで禁じることはないだろうと私も思うので、

高野氏のコメントには心から同情致します。

 

しかも、確かにほかの議員も結構やっていることでした。

 

 

 

 

こういう取材をするときは予定稿を用意して、他社に追いつかれないように、

締め切り時間間際を狙って直撃するのが普通です。

 

 

このときは高野氏に取材するのは初めてで、最初は高野氏も私をかなり警戒していました。

一度は「答える義務はない」とにべもない返答でしたが、

 

私も「あなたに恨みがあるわけじゃない。悪法だとも思う。でも・・・」と誠心誠意をもって食い下がって話を続けていると、やがてうちとけあって、コメントを引き出すことができました。

 

最後、「これを機に、ぜひ今度、焼き肉でも食べましょう」と言ったら、「記事しだいだよ」という答えだったので、記事に不備のないよう、事実に間違いがないよう、私なりに何度も確認して執筆したつもりです。

 

 

 

 

 

そして、本日20日。

当選証書を受け取った高野氏を直撃しました。

すると、晴れ晴れとした表情で私を受け入れてくれ、

「正確に書いてくれてありがとう」との言葉をいただきました。

 

本当に、ある意味で攻撃をした相手から

感謝の言葉をもらえることほど嬉しいことはありません。

 

 

その後、小一時間、裏話に花を咲かせたのですが、その間ずっと心の中でうれし涙を流していました。

 

焼き肉も一緒に食べる約束もしてくれました。

 

高野氏は議員になる前はサンデー毎日の記者で、事務所には鳥越俊太郎氏とのツーショットもありました。

 

つまりは記者としては先輩。今後、イロイロと話を聞かせてほしいところです。

 

 

 

それで、本日、出稿したのは以下のような記事です。

これでこの問題は終了ですね。

 

元さいたま市議の北村隆幸氏(42)の辞職に伴い、繰り上げ当選の対象となっていた民主前職の高野秀樹氏(50)に20日、岩槻区役所で当選証書が手渡され、高野氏の繰り上げ当選が正式に決まった。高野氏は市議選で落選が決定した直後の4月11日未明、自身のブログに書き込んだ文面について、当選・落選についてのあいさつを禁じた公職選挙法に抵触するのではないかとの指摘がなされていたが、「今後は気をつける」と述べた。

 

 この日、高野氏は午前11時ごろ、区役所で当選証書を授与された後、区内で産経新聞の取材に応じ「実は別の市議から指摘を受け、記述を削除しようか迷っていたところだった」と釈明。「不注意を率直に認め、今後は気をつけます」と語った。

 

 高野氏の繰り上げ当選に絡み、一部会派ではブログの記述を取り上げ辞職勧告決議案の提出も検討していたが、ほかの複数の議員も同様の書き込みを行っていたことが発覚。

 

この会派の市議は「高野氏のみを追及することはできない」と話し、提出は断念したという。県警も、高野氏の記述に悪質性がうかがえないことなどから、事情聴取の実施も含めて扱いについては慎重に判断するとみられる。

 

 高野氏の繰り上げ当選で、さいたま市議会の会派別人数は、自民20▽民主14▽公明11▽共産7▽改革フォーラム7▽無所属1-となった。

 

 

この問題で、「早くしろ!」などと私がド突き回した警察担当の清作左君も、最後はとてもいい取材メモを提供してくれました。

記事にちゃんと反映させてあるので、今後の励みにしてほしいです。

 

 

 

 

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キレンジャーと公選法違反天国さいたま市

2011/05/15 00:36

 

さあ、相も変わらず久しぶりの登場です。

選挙も終わり、仕事だらけのGWも終わってしまいました。少し休みももらえてリラックスし、風薫る季節へと、少しずつ心のシワをのばしている日々です。

 

さいたま総局では、人事異動があり、県庁担当の坂井友彦君が本社に異動し、

新たな仲間として和歌山総局から黄レンジャー、ではなく、市岡豊大(いちおか・とよひろ)君が加わりました。

 

当初は一緒に「さいたま総局ダイエット部」でも作ろうか、なんて話してましたが、

昨晩はうまい魚を喰いつつ飲み、AKBまゆゆそっくりのアルバイトがいる浦和の居酒屋で午前4時まで飲み明かし、

2人で週末当番の今夜も支局にて伊勢丹で死ぬほど弁当買ってきて、ピザとって、とダイエットとはほど遠いことをやってしまいました。

 

余談ですが彼は「ヘビーローテーション」の振り付けは完璧です。

レンタルされたい方はぜひお申し付けを。上野のパンダよりは安く承ります・笑。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、オープニングトークはこの辺にしてと。

私が担当しているさいたま市の最新情報をお伝えします。

 

さいたま市の清水勇人市長が他の首長とともに「埼玉改援隊」なる政治団体を作り、このたびの統一地方選に臨みました。ちょっと振り返っておきます。

 

「地域が主役」を旗印に、ローカルマニフェストを掲げ、賛同する議員を推薦するという形で応援してきました。

改援隊設立の一報は、ある首長が他社の記者にリークしたことで、私は完全にやられてしまいました。

 

 

「チクショー」と思いつつ清水市長を取り囲んだところ、清水市長は「推薦候補で議会の過半数を目指す」と言ってしまいました。

 

これが、アンチ清水には面白くなかった。

「議会内に仲間を増やして議会を支配する気か」と完全に敵に回してしまい、議会で激しく追及された清水市長は苦虫をかみつぶしたような表情で「過半数は撤回する」と言わされるに至ったのです。

 

そんなことで、「改援隊は市長支持の集団」とひとくくりにされ、アンチ清水の自民・公明・共産・無所属は完全に抵抗勢力と化してしまいました。

 

改援隊は今回、21人の推薦候補のうち、12人当選という伸び悩みの結果に。

大震災で地域政党ブームは吹っ飛び、小難しい改援隊の政策に耳を傾ける人も少なかったのかもしれません。

 

正直言って、この団体のやりたいことはわかりにくい。

三段論法くらいじゃすまないほどあれこれあれこれとやりたいことを縷々縷々縷々述べる。

さいごまできいて、「で、なにがいいたいの?」という感じです。

 

 

私に言わせれば、「地域に密着した政治をやるためには、地域のことを分かっている地元人がやるのがいちばん。勝手を知らない国や県はすっこんでろ。カネを出す代わりに口も出すのが、じゃまくさい。権限だけちょうだい。二重行政やめてくれ」と言えばすっきりするのになあ…。これが改援隊の主張をどれだけ代弁しているかは分かりませんけど。

 

 

 

とまあ、こんな感じで改援隊はなかなか市民の理解が進まないままでした。選挙後、ホームページもツイッターも稼働していないし、やっぱり本気で何かをやろうとしたわけではないのかなとすら思ってしまいます。

 

それと、議会内の支持基盤が弱い清水市長が代表である限り、政局的な見方をされることからは逃れられないでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

前回エントリで私は「言えなかったことをガンガン放出する」と予告しました。「

統一地方選の後半戦が終わった直後の4月26日の埼玉県版にて放った第1の矢が以下の記事です。当然、独自ダネです。

 

  

私も詳しくは知らなかったのですが、選挙期間中に街頭演説をするとき、候補者はのぼりを選挙カーに取り付けた物しか使用してはいけないんですね。

それを堂々とやっちゃったのを指摘したのがこちらの記事です。

私は囲みインタビューでこの質問をぶつけましたが、「チェックする時間がなかった」とか「推薦候補者の陣営が勝手にやったことだから改援隊としては責任がない」、などと苦しい回答をしていました。

 

 

 

 

 

 

 

清水市長がそうだ、と言いたいわけではないのですが、私は方便を使ったり、その場をうまくいい逃れて記者の追及をやり過ごそうとする不誠実な取材対象者を絶対に許したくありません。

記者のことを軽んじているからこそ、そんな態度に出ると推測されるのですが、バカにしているのは記者ではなく、背後にいる国民だからです。

 

 

 

それはさておき、私はこの時点で直感したことがありました。

改援隊という、さいたま市議選では最も注目された団体ですら、違反に絡んでいる。

ひょっとしたら、カネではなく、言葉やPRのジャンルでこれから違反がボロボロ明るみにでるんじゃないかしら。

 

その胸騒ぎは、とんでもないタイミングで現実のものになりました。

以下の県版紙面をご覧下さい。一見、普通に見えて、なんかとんでもないことになっていませんか?

 

 

 

拡大するとこんな感じ。

業界関係者ならどういう状況でこの紙面が作られたかよく分かると思います。わたしも8年記者をやってきて初めての体験でした。

 

 

 

 

 

 

 

記事はたった10行。これに対し、見出しのスペースは20行分以上。ふつう、価値あるニュースなら見出しに段を立ててレイアウトするのですが、この巨大な文字での横見出し! なんとも読者に恐怖感を与える紙面ですよ。

 

簡単に言うと、締め切り時間を過ぎて工場にデータを送信する時間の直前にぶっこんだから。情報入手と裏取り作業がこの時間になったのです。

この日は私がデスク番でした。瞬時の判断で、ある記事を飛ばし、隣の記事の末尾をちょん切ってスペースを作り、見出しのスペースを確保するよう整理記者に要求しました。

時間もないのに、むちゃくちゃな要求だったのですが、整理の山田君は快く応えてくれ、短い時間で最高の仕事をしてくれました。ありがとう!

 

 

翌日の追撃記事はこちら。これくらいやらないと、事件をリードしているとはいえません。

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の展開は当然こうなります。

 

 

 

※この記事に出てくる「3人の新聞記者」に私は入っていませんのであしからず。

 

 

 

 

 

これで一件落着…かと思いきや、これで終わらないのがさいたま市なのです。

 

すいませんが、続きはまた後日です。

 

 

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加筆・残念です。レーシングライダー高橋江紀さん

2011/04/25 03:46

 

昨年11月に取材し、埼玉版「スポーツ最前線」に掲載した若きバイクレーサー、高橋江紀選手が交通事故で亡くなりました。

 

こちらがその記事です。

24日午前3時45分ごろ、埼玉県東松山市松本町の国道407号で、吉川市美南、アルバイト、高橋江紀さん(23)の乗用車が対向車線にはみ出し、行田市の男性運転手(33)のトラックと衝突。トラックはさらに左側を並進していた軽トラックと衝突した。高橋さんは病院に運ばれたが、腹などを強く打って約12時間後に死亡。トラックの運転手も軽傷を負った。東松山署によると、現場は見通しのよい片側2車線の直線道路。

 高橋さんは、世界的バイクライダー、高橋裕紀さん(26)の弟。高橋さん自身もバイクのインストラクターを務めながら国内のバイクレースに出場、頭角を現し始めたところだった。

 

 

 

 

 

世界的ライダーとして知られる兄の裕紀さんの背中を追いかけて、

バイクのインストラクターをしながらがんばっていたのにほんとうに残念でなりません。

 

取材したときの印象も裕紀さんともども好青年そのもの。

1時間くらいの取材でしたが、とてもいい兄弟にであえたなっていう満足感でいっぱいでした。

 

 

兄弟そろって世界で勝負する日が楽しみでした。

 

 

ご冥福をお祈りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下に、2人を取材した記事を再び掲載します。

 

 

埼玉県吉川市出身で、兄弟そろってレーシングライダーとして活躍している選手がいる。兄はすでに世界を舞台に活躍している高橋裕紀選手(26)。弟の江紀選手(23)も国内の大会で着実に頭角を現しつつある。時速300キロ近くでカッ飛ばすなんて想像もつかないほど童顔の兄弟だが、2人で一緒に世界大会に出場する日を夢見ている。(安岡一成)

 現在、ヨーロッパを中心に17サーキットを1年かけて巡る「ロードレース世界選手権」に出場している裕紀選手。マシンの最大排気量600ccで、注目度の高い「Moto2」クラスで戦っている。

 バイクとの出会いは7歳のころに父に買ってもらったポケットバイク(ミニチュアサイズのオートバイ)だった。スピードの世界にあこがれ、小中高とほかのスポーツに“脇見運転”することもなくのめり込み、週末はサーキットで満タンのガソリンがなくなるまで走り込んだという。

 レースでは直線よりもコーナーが勝負だ。スピードを殺さないように、地面すれすれまで車体を倒す。コンマ数秒を競う極限の勝負の世界。数々のけがも乗り越えてきた。平成16年、全日本ロードレース選手権250ccクラスの王者になったのを機に、国内から世界へ。翌年、拠点をイタリアに移し、世界選手権に初出場した。

 裕紀選手は「走る楽しさをもっと多くの人に知ってほしい」という。意外にも、バイクの免許を取ったのは昨年。「風景や街のにおいなど、走る楽しみを純粋に楽しめるのは断然、車よりバイクですね」。

 弟の江紀選手は、そんな兄の背中を尊敬のまなざしで見つめている。現在、桶川スポーツランドでインストラクターを務めながら、国内選手権に出場し、実績を積んでいる。いつか、兄と並んで世界の舞台で走る日を夢見ている。

 

 

 

 

 

 

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彦左衛門と越える最後の山

2011/04/24 01:46

 

さて、ずいぶんお久しぶりの登場となってしまいました。

 

 

被災されたみなさまがいまだ劣悪な環境で不便な生活を強いられていることにまずもってお見舞い申し上げます。

 

 

埼玉県は直接の被災地ではなかったのですが、わたしたちさいたま総局のスタッフも3・11以降、ろくに休みをとらずに働いております。

 

ほんとストレスも疲労もピークにきています。

連休は(あるのかどうかまだわからんけどあるのなら)サイパンでも行って、ジェットスキーかパラセーリングでもしてきたい気分です。

 

 

 

それで、今日はようやく丸一日の休みをもらえましたので、ゆっくり寝て、たっぷり食って、仮面ライダーの映画見に行って、昼寝して、また食って、酒飲んでと優雅にのんびりと過ごしていました。

 

 

 

 

 

 

この国難に当たって、実施の是非についてまったく国民の意識が統一されていない、「統一地方選挙」もいよいよ明日(つーか今日)には投開票を迎えます。

 

 

ここ数日は出馬した人の名鑑の「読み合わせ」っていう

とてもつまらないけどものすごく重要な作業に没頭しておりました。

 

 

 

簡単に説明すると、出馬する人には候補者のプロフィール(名前、年齢、職業、住所、肩書き、当選回数などなど)を書きこんだ「調査票」を書いてもらうのですが、そこに書かれていることと、新聞のゲラとが一致するかを2人の人間が声を出して読み上げて確認することです。

 

たとえば調査票に

さいたま市議選 安岡一成 32歳 産経新聞記者 さいたま市桜区 無所属 過去の当選回数0回 

 

なんてことが書いてあるのを見て、

名鑑作成端末に情報を打ちこむと

安岡一成 32 産経新聞記者 無新

という形でゲラには表示されます。

 

それを、一人が

「やすおかいっせい、安心のあん、岡山のおか、数字のいち、成功のせい、年齢32、職業産経新聞記者、む・しん」

とか声に出して読み、もう一人が目を皿のようにして確認するのです。

 

前半の県議選、市議選ともに100人ぐらいですが、

後半の市議選、町議選となるとそれの3倍くらいにはなります。

それをシコシコとなんどもなんども読み合わせるのです。

 

 

右に書いてあることをそのまま左に書きうつすことがどれだけ難しいことか。

読み合わせていて間違いがけっこう発見されるのです。

 

 

 

こんな作業はさっさと終わらせたいため、読み合わせはどうしても早口で、

しかもテンポよく、さらには口にした言葉が一瞬で聞き手にピンとくる言葉でなくてはなりません。

 

 

「枝野幸男」だったら「木の枝に野原の野、幸せな男

 

「林久美子」だったら「木ぃ2本の林に久しぶりに美しい子供

 

「中津川博郷」だったら「真ん中に大津の津、三本川に博士のはか、故郷のきょう」とか。

(なぜか民主党ばっかり)

 

 

わかりやすいものばかりではありません。

たとえば「柳」という字。「柳ジョージのやなぎ」で伝わるかな?と一瞬考え、やっぱり駄目か、と適当な熟語を探す。ない。「柳の下のドジョウ? でも長すぎるな」…。

それでも思いつかなければ、漢字を分解するしかありません。わたしは「木へんに卯月のう」としたら相手は「ハイ」と分かってくれたようでした。

 

 

ほかには

「郎」は「野郎のろう」か「ふつうのろう」

「朗」は「ほがらか」

「智」は「知るの下に日」

「山」は「マウンテンの山」

「村」は「ビレッジの村」(邑と区別)

「藤」は「さがりふじ」(富士と区別?)

「沢」は「簡単なさわ」(澤と区別)

「斉」は「中が2本のさい」

「斎」は「中が示すのさい」(齊や齋は使われない)

 

などなど、こんな感じが定番ですね。

 

 

 

 

ときどき、読み合わせてて「そう来たか!」という字説きに出くわすことがあります。

 

たとえば、私の父親は「敏彦」というのですが、

「敏」はたいてい「俊敏のびん」と読みます。

では「彦」はなんて読みますか?

私は初任地が滋賀県大津支局だったこともありますが、ゆるきゃらの雄「ひこにゃん」の故郷、

彦根のひこ」と読んでいます。

 

ところが、私と読み合わせをした人はみな

「彦左衛門のひこ」と読むのです!

最初はええっ!て驚きでしたが、これ、東西の違いのようです。

ところで、彦左衛門って誰???

 

 

それから、「肇」。

はじめと読むこの字、全国の記者の皆さんはどう読んでいるのでしょうか?

私は一瞬で出てこず、言葉に詰まり、デスクと一度顔を見合わせて頭を抱えました。

結局「う~ん、啓発のけいの上に下が筆という字の下半分とか読んでその場はしのぎましたが、結局、2回目以降は「ハナ肇のはじめ」になりました。

 

その3。

「杉」。私は最初、「木へんにちょんちょんちょん」としていましたが、

めんどくさくなり今は「杉山の杉」(うちの総局長名)になりました。

 

 

 

 

 

蛇足ですが、かわいそうなのが「祥」という字。

「祥子」とか「祥夫」とかいう名前で使われるのですが、

十中八九「不祥事のしょう」と読まれてしまいます。

 

しょう、といえば「昇」も。

「上昇のしょう」とはいわずみんなが「昇天のしょう」と言います。

間接的に死を意味するか、少しHな意味…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選挙の立候補者や当選者の名鑑は記録としても広く使われるため、絶対に間違ってはならない情報。

そんなわけで、明日も夕方からシコシコこの作業と戦ってきます。

 

 

 

 

 

GW用の連載記事も抱えているため(手つかず!)選挙が終わってホッとすることもできませんが、とりあえず、明日で大きな山は越えます。

 

選挙期間中は当局の批判もあんまりできない状態だったので、終わり次第、言えなかったことをガンガン放出していきます。

 

 

その前にまとまった休みがほしい…。遊んでくれる美女人も…。

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