東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島市が、今月中旬、市内1000か所余りの放射線量を一斉に測定した結果、6か所で県が再調査の必要な目安とする1時間当たり3.4マイクロシーベルトを超えたことが分かりました。市が24日に行った再調査でいずれも数値は下がりましたが、このうちの1か所の公園については、利用を制限することにしています。
福島市は、市民から「自宅の近くなどより細かい地点の放射線量を知りたい」という要望が相次いだことを受けて、17日と20日に市内の公共施設や住宅街の道路など1000か所余りで放射線量の一斉調査を行いました。地面から1メートルの高さの測定では、市の中心部に近い住宅街を含む6か所で、福島県が再調査が必要な目安としている1時間当たり3.4マイクロシーベルトを超えました。また、1時間当たり2マイクロシーベルト以上だった地点は182か所ありました。福島市は、数値が高かった6か所について24日に再調査を行いました。その結果、いずれも前回の数値を下回りましたが、福島市渡利の市営住宅の中の公園では、地面から50センチの高さで1時間当たり4.15マイクロシーベルトとなり、公園の利用を制限する国の目安の3.8マイクロシーベルトを超えていました。このため福島市では、この公園の利用を制限することにしています。福島市環境課の鴫原和彦課長は、「今後もモニタリングを続けながら、さらに細かく測定を行って市民に知らせていきたい」と話していました。福島市では、今回の測定結果をホームページで公開することにしています。今回の調査結果について福島市の瀬戸孝則市長は「福島市内の放射線量の状況が分かり、今後、除染を進めていくうえで参考になると思う。比較的高い放射線量が観測されている地点もあるが、避難というよりは清掃や土の撤去で線量を下げたいと考えているので、国には土砂の処分方法について早く基準を示してほしい」と話しています。