 「まずはダウンロードした吉里吉里とＫＡＧをそれぞれ個別に解凍しよう」
 「どっちからもほるだがいっぱい出てきたよー」
「作業に必要な素材を入れておくフォルダは全て準備されているんだ」
「もーちょっと詳しくせつめーしてほしーもん」
「詳しくはW.Dee氏のドキュメントを見てくれ……というのも不親切だから、簡単に説明しておこう」
「それがいーもん」
「まず、吉里吉里を展開した場合、フォルダは下図のようになる」
「この中で大切なものは、一番上のフォルダ kr082sdk に含まれている krkr.eXe だ。その他はゲーム制作に直接は関係のないサンプルなので、どこか別のフォルダに保管しておくといいかもしれない」
（少尉注：バージョンによりフォルダ名は変わっている場合があります）
「あんで krkr.exe ぢゃなくて、krkr.eXe なのかなー？」
「W.Dee氏の趣味だそうだ」
「んー？？？」
「次に、ＫＡＧを展開すると下図のようになる」
「さっきと似てるねー」
「その通り。実は吉里吉里を展開した時に出てきた syokai フォルダの中に入っているファイルとフォルダ群がＫＡＧそのものなんだ」
「んぢゃー、その紹介サンプルは、ＫＡＧで作られたってこと？」
「そう。template フォルダ内にある１０個のフォルダは実際にゲームを作るときに活用する。また、doc フォルダにはＫＡＧのマニュアルが入っている」
「んでも、ゲームを作るときわ、どのほるだに何を入れたらいいのかなー？」
「まずは、画像関係のフォルダを説明しよう。bgimage、fgimage、image の三つがある。それぞれ、背景絵、キャラ絵とマスク絵、その他の絵を入れておく」
「んでも、それぞれの区別がわかりにくいもん。たとえば、背景絵とその他の絵って、どーちがうのかなー？」
「実は、厳密な区別はないんだ。どこに置いておいてもＫＡＧが自動的に検索してくれるから、それほど気にしなくていい。ゲームを作るおいら達が使いやすいように使えばいい」
「ふ〜ん」
「次に、一昔前はマルチメディアという言葉で表現されていた、音声や動画ファイルを入れておくフォルダ。bgmフォルダにはＢＧＭ用のＭＩＤＩファイルやＭＰ３ファイル、soundには効果音として使うＷＡＶＥファイル、videoにはＡＶＩ形式の動画ファイルを入れておく」
「あとは、rule、scenario、system、otherの四つだもん」
「ruleフォルダから説明させてもらおうか。ここには、トランジションのパターンに使うグレースケールのルールファイルを入れておく」
「トランジションって、画面切り替えのことだっけかなー？」
「そう。ＫＡＧのすごい点は、自分でルールファイルのパターンを制作することで、自由な画面切り替えパターンが何種類でも簡単にゲームに使えることなんだ。まあ、あんまりたくさんは使わないと思うけど、ゲームの雰囲気に合った少数のトランジションパターンを自分で自由に設定できるのは素敵だよ」
「そうだねー」
「また、senarioフォルダには、スクリプトの書かれたファイルが入る。このスクリプトファイルは純粋なテキストファイルだから、メモ帳でもエディタでも、手に馴染んだものを使えばいい」
「systemは？」
「ＫＡＧを実行するための様々なコンフィギュレーションファイルが入っている。最初はいじる必要はないけど、いずれゲームとしての形を整えていく時は嫌でも調整する必要が出てくるだろうね」
「じゃあ、今は触らなくていいのかな？」
「そう。最後にothersだが、これは上記以外のファイルを入れるといい」
「そんなはいるがあんのかなー？」
「突っ込むなってば。開発者が好きにつかっていいんだから。たとえば、インライン画像なんかを入れたらどうだ？」
「あ、そーだねー」
「まとめると、下のようになる」
| 種類 |
フォルダ名 |
入れるファイルの例 |
| テキスト |
senario |
スクリプトファイル |
| 画像 |
image |
壁紙やレイヤーアニメーション用画像、
一枚絵のデモ画像やＴＪＳスクリプト用画像など |
| bgimage |
背景絵 |
| fgimage |
前景絵・キャラクターシルエット |
| 音声や動画 |
bgm |
MIDIやWave、MP3形式のBGM |
| sound |
Wave形式の効果音 |
| video |
AVI形式の動画 |
| その他 |
system |
システムファイル群（追加不可） |
| rule |
トランジション用グレースケール画像ファイル |
| others |
インライン画像やその他のファイル |
「ここまでは理解できたかい？」
「できたもん！」
「それじゃ、練習を始める前に、まずは開発環境を整えよう」
「どーやんの？」
「別に難しいことをするわけじゃない。フォルダとファイルを使いやすいように配置するだけだ」
「ふ〜ん」
「人それぞれだが、おいらは下図のようにフォルダを配置してみたよ」
「『吉里吉里チュートリアル』という名前のフォルダを作り、その下に、展開したＫＡＧの template フォルダ以下をそっくりコピーする。それから吉里吉里を展開して出てきた krkr.eXe を一番上のフォルダにコピーする。これだけだよ」
「これでいよいよゲーム作れんのかなー？」
「おお、作れるぞ。それじゃ、準備として、それぞれのフォルダに適当なファイルを入れてみよう。最初だから、画像とＷＡＶファイルとＭＩＤＩファイルぐらいでいいだろう」
「imageフォルダに test.jpg を、bgmフォルダに test.mid を、soundフォルダに test.wav を入れてみたもん」
「じゃ、次に行こうか」
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