◆ノベルゲームだけじゃないのだ
「ど〜も。PIA少尉です」
「すきゃんてぃだもんねー!」
「さて、このページを覗いてくれたあなたは、少なからず吉里吉里/KAGを用いたゲーム制作に興味があると思う」
「あんたわえらいもん!」
「これこれ、お客様にそういう口の聞き方はやめなさい。まあ、それはともかく、まず皆さんが知りたいのは、『吉里吉里やKAGを使うとどんなゲームが作れるのか』ということだと思う。KAGを使っても、せいぜい『かまいたちの夜』みたいな定番ノベルゲームしか作れないと思っている人もいるかもしれない」
「そーぢゃないのかなー?」
「何を言う、早見優。(←死語駄洒落) おいらが5分で作った冗談のサンプルスクリプトを見れば、そんな疑いは吹っ飛ぶぞ」
「んぢゃ、見せてほしーもん」
「KAGってのは本当にすごいスクリプトなんだ。ノベルゲームだけじゃなくて、普通のアドベンチャーゲームだって、無理すればシミュレーションゲームだって作れるんだぞ!」
「のーがきはいーから早く見せなさいよねもー!」
「よし、見せてやる。題して『炎の紋章〜初代キャラクター怒涛の復活編』だ」

Image (C) 1990 Nintendo
「ちなみにスクリプトはこんな感じになる」
*test
[ct]\
[image storage="背景" layer=base page=fore]\
[image storage="マルス" layer=0 visible=true left=514 top=354]\
[image storage="シーダ" layer=1 visible=true left=0 top=354]\
シーダ>[indent]マルス様、トラキア766に代表される最近のFEシリーズを見ていると、メディウスと闘ったわたし達の時代が懐かしく思えますね。[endindent]
[s]\
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「あれれー!? はみこん版の『はいやーえんぶれむ』ぢゃんよもー!」
「これはSFC版FEシリーズのゲロアニメ顔が大嫌いなおいらが、FC版の画像を勝手に流用して、個人の趣味として作ったんだ」
「なつかしーなー。十年前のゲームだねー」
「おいらが言いたいのはそういうことじゃない。画像とシナリオさえ準備できれば、こんな感じの画面もKAGで簡単に構築できるということだ。すごいだろ?」
「すごいねー」
「ちなみに、画面の下に表示されている黒いメッセージ枠の代わりに、吹き出しの画像を使ったりすることもできる。つまり、KAGマスターになれば、プログラムなんか覚えなくても大抵のアドベンチャーゲームは制作できちゃうんだよ。もちろんAVGに必須とされるクリッカブルマップにも対応している」
「すきゃんてぃこのげーむやりたいぢゃんよもー!」
「残念だが、この作品はこの画面だけしかないんだ」
「なんだー」
「ってなわけで、前座はこのくらいにして、いよいよKAGで作れるゲームの種類を説明していこうと思う」
「うん。それぢゃー、すきゃんてぃがどんどん種類を言ってくから、できるかどーか答えてほしーんだもん」
◆どんなゲームが作れるの?
「KAGは一応『華麗なる21世紀のフルカラー対応AVG&ノベル作成ソフト』だから、アドベンチャーゲームもしくはノベルゲーム、百歩譲ってシミュレーションゲームのカテゴリで考えて言ってくれ」
「んぢゃー、まづわ『かまいたちの夜』!」

「うん。これはKAGが最も得意とする分野のゲームだ。おいらもこのゲームは金色の栞を目指して散々にプレイしたけど、内容的には完全にKAGで再現できる。この『かまいたちの夜』に限らず、『弟切草』『夜光虫』『学校であった怖い話』『晦』などのノベルゲームはほとんどOKだ」
「んぢゃー、ノベルゲームわ全部おっけーってことで、アドベンチャーゲームわ? たとえば『はみこん探偵クラブ2』とか」

「このゲームもおいらは散々プレイしたから知っているけど、100%大丈夫だ。選択肢の管理がちょっと面倒な点を除けば、このタイプのゲームも作れる。ただ、難易度はノベルゲームよりは高くなるけど」
「それぢゃー、シミュレーションゲームの『プリンセスメーカー』みたいなやつわ?」

「いわゆる『育てゲー』だな。『育てゲー』のツボは数多くのパラメータが変化していくことだけど、KAGには豊富な数値/文字変数やTJS関数が用意されているから、アクション性を追い求めなければ制作は可能だ」
「んぢゃー、似たよーなやつで、『ときめきメモリアル』みたいなのわ?」
「『恋愛シミュゲー』のことか? それははっきり言って100%対応していると言うべきだろう。なぜなら、元々吉里吉里は『学院生』という恋愛シミュゲーのエンジンとして開発されたものだからだ」
「そーなんだー」
「アクション性がなく、3Dのような高度な画像処理を必要とせず、知的な好奇心とさまざまに展開するストーリーを純粋に楽しむようなゲームは、吉里吉里の真骨頂であるとも言えるな」
「んぢゃー、『あーるぴーぢー』とかわ、できないの?」
「『ドラクエ』タイプのキャラが歩くようなRPGは避けたほうがいいかもね。無理をすれば作れないこともないけど、それはKAGの目的からは外れるし、某社の『RPGツクール』みたいな専用ソフトを使った方が楽なのは事実だ」
「なんだー」
「でも、RPGカテゴリのゲームでも、動きのない旧『ウィザードリィ』タイプのものなら何とか作れるかもしれない」

「ただ、複雑な戦闘ルーチンやパーティメンバー全員のHPの増減処理、膨大な数のアイテムを敵がランダムに落とす処理などをKAGで行うと、地獄のように大変なのも事実だ。もしそれらをゲームに取り入れたいのなら、TJSを覚えなくちゃならないだろうな」
「んぢゃー、『あーるぴーぢー』わやんなくていーもん」
「それがいいだろう。KAGが最も適しているのは、ノベルゲーム、アドベンチャーゲーム、アクション性のないシミュレーションゲームの3カテゴリだから」
「すきゃんてぃわ『かまいたちの夜』みたいなサウンドノベルが作れればいーもんねー!」
「それはもったいないな。KAGの機能を使えば『かまいたちの夜』を上回るようなシステムのノベルゲームだって作れるのに」
「そーなのかなー」
「それじゃ、次のページでは吉里吉里/KAGの魅惑的な機能を説明しよう」
「楽しみだなー」
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