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訃報:よど号事件最年少の柴田元受刑者が死去

 70年の「よど号ハイジャック事件」に当時最年少の16歳で関与した元赤軍派メンバー、柴田泰弘さん(58)が大阪市内で死亡していたことが関係者への取材で分かった。病死とみられる。

 確定判決によると、柴田さんは高校在学中に赤軍派に参加。69年に53人が大量検挙された大菩薩峠事件などにかかわった。翌70年3月31日、日航機「よど号」を乗っ取り平壌に強制着陸させた。

 柴田さんは平壌で亡命生活中に日本人女性と結婚し、2人の子をもうけた。88年に極秘帰国していたところを旅券法違反容疑で兵庫県警に逮捕された。ハイジャック事件の強盗傷害、国外移送略取罪などで懲役5年の判決が93年に確定して服役。翌94年に出所した。

 近年は大阪市内のアパートで1人暮らしをし、よど号グループや国内の支援者とは距離を置いていた。関係者によると、脳の難病を患っていた。昨年の毎日新聞の取材では「やはり自分の国の方がいい。革命のために海外に行く必要はなかった」と事件を悔いていた。

 よど号グループを巡ってはリーダーだった田宮高麿元容疑者ら4人が既に死亡したほか、平壌で暮らす4人がハイジャックや拉致事件などで国際手配されている。

毎日新聞 2011年6月24日 15時02分

 

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