記事入力 : 2011/06/24 11:27:38
サムスン白血病訴訟、労災認定の陰に専門医の努力
- 写真提供=プレシアン
この問題が社会的に取り上げられ、労災と認められた背景には、ある産業医学専門医の努力があった。
韓国労働安全保健研究所のコンユ・ジョンオク研究員(37)は同日「被害者の遺族と共に歩んだこの4年間のつらい道のりが、一部実を結んでうれしい。今後は工場の労働者に関する安全制度の改善に全力を挙げたい」と喜びを語った。
コンユ研究員がサムスン電子の半導体工場の白血病問題を知ったのは2007年。その後、医学論文や国内外の工場管理規定を分析し、類似の被害ケースを集めた。また、この問題を周知させる記者会見や討論会を開き、社会の関心を促した。
コンユ研究員は今回の判決について「半導体工場の有害な環境が直接白血病を引き起こしたと明確に証明するのは難しいものの、管理されていない有害な環境に長期間さらされた場合、白血病を発病し得るという点を裁判所が認めたことになる。韓国の産業安全管理の大きな進展だ」と評価した。また「企業秘密を理由に工場で使われている化学物質を把握できず、もどかしかった。因果関係の証明にも苦労した」と苦しい道のりを振り返った。
続けて「これまで取るに足らない問題で騒ぎ立てているという誤解が多かったが、工場で被害が出れば疫学調査を行い、原因となった有害環境を調査し、労働者の安全を改善していくことは産業保健分野の基本だ」と指摘した。サムスンも今回の事件を機に実態調査を行い、作業環境の改善に努めているだろうとし「今後はそのプロセスを透明化し、一般に受け入れられるレベルで工場の環境改善を制度化することが重要だ」と訴えた。
金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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