NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

護衛艦衝突事故 韓国船に原因

6月24日 13時51分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

おととし、関門海峡で海上自衛隊の護衛艦と韓国籍のコンテナ船が衝突した事故で、国の運輸安全委員会は、コンテナ船の船長が、海上保安庁の管制官からの連絡に疑問を感じながらも、強制的な指示だと勘違いして前の船を追い越そうとしたことなどが原因だとする報告書をまとめました。

この事故は、おととし10月、関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船が衝突したもので、船で起きた火災の消火活動で護衛艦の乗組員6人が軽いけがをしました。運輸安全委員会がまとめた報告書によりますと、コンテナ船は、前を走る貨物船の右側に近づいていましたが、海上保安庁の海上交通センターの管制官から「貨物船の左側を追い越しなさい。前方に護衛艦が来ているので注意してください」と無線で連絡を受けました。この連絡は、指示ではなく情報提供の通信で、管制官は、広い場所に出てから追い越しをすると思っていましたが、コンテナ船の船長は、強制的な指示だと勘違いし、護衛艦が向かってくる左側から追い越すことに疑問を感じながらもすぐに左に大きくかじを取ったことが事故の原因だとしています。また、報告書は、海上保安庁の管制官が現場付近で追い越しをしないよう指導しなかったことや、護衛艦「くらま」が早く海峡を通過したいと考え、時速30キロを超えるトップスピードで航行していたことも事故を防げなかった要因だと指摘しました。そのうえで、報告書は、コンテナ船を運航する会社に管制官との連絡方法などで乗組員の教育を行うことを勧告しました。また、海上保安庁長官には関門海峡海上交通センターの船舶への情報提供などに関して、防衛大臣には関門海峡を通航する際の安全な速度などに関して、それぞれマニュアルを改訂するよう求めました。