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【栃木】

研究論文・不正告発問題 教授を諭旨退職に 独協医大が4月末

2011年6月24日

 独協医大(壬生町)の内科系研究グループの論文にデータ改ざんなどの不正があるとの告発が同大に寄せられた問題で、同大がグループの中心だった五十代の男性教授を諭旨退職にしていたことが二十三日、分かった。同大は諭旨退職の理由を明らかにしていないが、元教授は本紙の取材に「実験で得たデータを、内容が似ている別の実験の結果として流用した」と不正を認めた。 (小倉貞俊)

 告発では、グループが二〇〇二〜一一年に発表した生活習慣病などに関する研究論文二十七本に、一つの実験で得られたデータや画像を複写・加工し、異なる実験の結果として使い回すなどの改ざん行為が見られたほか、学会などで禁じている論文の二重投稿があったと指摘。厚生労働省などの科学研究費補助金(科研費)を受けた研究も含まれていたとし、告発した男性は「研究結果が虚偽と知らずに参考にしてしまう恐れがあり、多くの研究者が迷惑する」と批判している。

 同大は二月上旬に寺野彰学長を委員長とする調査委員会を設置。元教授は四月末に同大を退職後、県外の病院で医師として勤務している。同大は「調査中のため、不正の有無については回答できない。調査結果がまとまるまで時間がかかる」と話した。

 同大では〇七年、別の教授らが科研費約一億七千万円を不正プールしていた問題が発覚。同大は教授らを諭旨退職や減給処分などにし、国などに科研費を返還している。

 

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