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もんじゅ落下装置引き抜き始まる 24日午前には作業完了か
(2011年6月23日午後8時55分)
日本原子力研究開発機構は23日夜、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、原子炉容器内に落下した炉内中継装置の回収作業を始めた。器具に不具合が見つかるなど準備に手間取り、引き抜き開始は同日午後8時50分と大幅にずれ込んだ。順調に進めば24日午前には回収を終える見通し。
回収が完了すれば、昨年8月の落下以来続いてきた、原子炉容器内に大型の構造物があるという異常な状態が約10カ月ぶりに解消される。今後、引き抜いた同装置本体を詳しく調べ、原子炉への影響などを評価。今秋には復旧作業を完了させたい考え。
同装置は直径46センチ、長さ12メートルの円筒状の構造物で、重さは3・3トン。昨年8月、燃料交換を終えて搬出するため同装置をつり下げた際に落下した。2回にわたり回収を試みたが、落下の衝撃で変形し、引き抜けなかった。そのため、「スリーブ」と呼ばれる上ぶたの一部(約3・6トン)と一体で引き抜くことになった。
引き抜きは当初、午後3時ごろに始まるとみられていたが、収納する容器下部にある筒からアルゴンガスが漏れていると判明。ゴム製の部品が破損しているのが分かり、準備作業を一時中断した。
その後、作業を再開して、装置の引き抜きに着手。装置に付着したナトリウムが空気と触れないようにするため、炉上部に設置した耐熱性の化学繊維製のじゃばら式容器を少しずつ伸ばしながら、1分間に6センチのペースで引き抜き始めた。
