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詐欺師と不動産業者が結託して「ローンを食い物」。 ――甘言に乗ってマイホームを手に入れると、自分まで「結果詐欺師」に!

作家 夏原武
2010年 7月15日

金融機関の「お役所仕事」で、詐欺師が「にんまり」
 

 詐欺被害と聞くと個人を思い浮かべがちだが、狙われているのは法人も同じ事。特に、金融機関は格好のターゲットになっている。

 その最大の理由だが、「書式さえ整っていれば」という形式主義・手続き主義、つまるところ私企業でありながらも「お役所仕事臭ぷんぷん」というところにある。

 実際の話、すでに公的融資はさんざん詐欺師に食われている。不況対策や貸し渋りに対して行われる行政の制度融資は「審査さえくぐり抜けてしまえばいい」わけで、俗に言う「潜りやすい」ものなのだ。

 筆者もこうした詐欺事件を数多く取材しているが、そのほとんどに「コーチ屋」と呼ばれる連中が関わり、「融資を受ける方法」を悪党に教えている。

 筆者が取材した中でもっともひどかった沖縄のケースでは、県庁の職員までもが一味に加わっていたのだから、呆れるほかはない。

 ヤクザ取材では、山口組系のある親分が「制度融資で数億引っ張った」と嬉しそうに話していた。手続き上は企業を通しているため、彼らは表には出てこない。その企業を実質的に支配しているのがヤクザであったとしても、役所としては「形式さえ整っていればいい」という、典型的ケースだ。

 そして公的融資だけでなく、金融機関もまた当然のごとく詐欺師の餌食になっている。以下の報道を見てもらおう。

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