金融機関の「お役所仕事」で、詐欺師が「にんまり」
詐欺被害と聞くと個人を思い浮かべがちだが、狙われているのは法人も同じ事。特に、金融機関は格好のターゲットになっている。
その最大の理由だが、「書式さえ整っていれば」という形式主義・手続き主義、つまるところ私企業でありながらも「お役所仕事臭ぷんぷん」というところにある。
実際の話、すでに公的融資はさんざん詐欺師に食われている。不況対策や貸し渋りに対して行われる行政の制度融資は「審査さえくぐり抜けてしまえばいい」わけで、俗に言う「潜りやすい」ものなのだ。
筆者もこうした詐欺事件を数多く取材しているが、そのほとんどに「コーチ屋」と呼ばれる連中が関わり、「融資を受ける方法」を悪党に教えている。
筆者が取材した中でもっともひどかった沖縄のケースでは、県庁の職員までもが一味に加わっていたのだから、呆れるほかはない。
ヤクザ取材では、山口組系のある親分が「制度融資で数億引っ張った」と嬉しそうに話していた。手続き上は企業を通しているため、彼らは表には出てこない。その企業を実質的に支配しているのがヤクザであったとしても、役所としては「形式さえ整っていればいい」という、典型的ケースだ。
そして公的融資だけでなく、金融機関もまた当然のごとく詐欺師の餌食になっている。以下の報道を見てもらおう。