内紛の収集はつかなかった。「協会の要請で決めました。あす職員らと辞表をまとめてコミッショナーへ提出する」(森田事務局長代行)。安河内事務局長の復職に反発する日本プロボクシング協会と、レフェリー、ジャッジらからなる東京試合役員会、一部のJBC職員らによる“第2コミッション”の立ち上げが急転直下で発表された。
発端は今年4月、安河内務局長が経理上の不正を行っているなどと告発する差出人不明の怪文書が、全国の加盟ジムなどに送られたこと。第三者の外部弁護士らも含む調査委員会が、中間報告で「不正の事実は認められない」としたことに反発派は圧力を強めた。
ジムのオーナー、会長らで構成する日本プロボクシング協会のこの日の理事会で、新団体設立の声が上がった。大橋秀行会長(46)らは理事会後、JBCの林有厚コミッショナー(81)と緊急会談。別組織への不正介入とする林コミッショナーが安河内氏の解任を拒否したことも、今回の決定につながった。
「新団体は早急に立ち上げたいが、理事会で納得いく結果が出て団体も1つにまとまればいい」と森田氏は、調査委員会の最終報告と安河内氏の処分が決まる28日のJBC理事会を待つ可能性も示した。
一貫して不正の否認を続けてきた安河内氏は、発端となった怪文書に対する被害届を練馬署に提出し20日に受理された。名誉毀損での捜査が開始される見通しで、日本ボクシング界はファン置き去りのまま、泥仕合の様相となった。
(紙面から)