日本ボクシングコミッション(JBC)の森田健・事務局長代行は23日、東京都内で記者会見し、国内プロボクシングの試合管理を行う新団体を暫定的に設立すると発表した。新団体が設立されれば、国内の統括機関は分裂状態となる。JBCでは安河内剛・事務局長代行補佐が違法な経理処理をしたとして内部告発され、レフェリーらで作るJBC東京試合役員会が、安河内氏の解任を求めるなど混乱が続いている。
会見に同席した東京試合役員会の浦谷信彰会長は「東京を含め関西、中部の大半はついてくる」と述べ、レフェリーやリングアナウンサーの大半も新団体に移ると明言した。計量などの試合運営に携わるJBC職員もほとんどが新団体に移る。そのため国内の試合は新団体が管理・運営し、当面は予定通りに行われる見込み。
森田氏は23日、国内ジムの会長らからなる日本プロボクシング協会(大橋秀行会長)の臨時理事会に出席し「新団体を設立するよう要請された」と説明。JBCを24日付で辞職し、新団体の事務局長に就任するという。また大橋会長は「現体制では混乱の短期的収束に見通しがつかない」として23日、新団体を支持すると表明した。
一方、JBCは調査委員会を設けて違法経理の有無などを調べており、28日に理事会で報告を受けて安河内氏の処分を検討する。森田氏は「本当はJBCと一つにしたい」と強調しており、理事会で安河内氏に“追放”などの処分が出れば、JBCに再合流する考えがあることを示唆した。【飯山太郎】
◇条件次第では「合流」示唆 森田事務局長代行
JBCの森田健事務局長代行は23日夜、東京都内で記者会見し、「問題の早期収束を求める日本プロボクシング協会から頼まれたため」と新団体設立を決めた経緯を説明した。
森田氏は24日に、同調するJBC職員とともに林有厚コミッショナーに辞表を提出する予定。「辞表がすぐに受理されるかわからない」とも述べ、新団体の設立が25日以降にずれ込む可能性があることを明らかにした。
一方、JBCは28日に安河内氏の処遇を決める理事会を開く。森田氏や協会に同調するJBC東京試合役員会は、安河内氏の解任を求めており、森田氏は「本当はJBCと一緒にやりたい」と明言。28日の理事会の決定次第ではJBCに合流する可能性があることを示唆した。
◇JBCと日本協会
JBCは日本のプロボクシングを統括する機関。試合・王座の認定やランキングの作成、選手らのライセンス発行などを行い、審判員ら試合役員が所属する。…