阪神が今秋のドラフト会議で、東海大の菅野智之投手を1位指名する可能性があることが22日、分かった。菅野は既に1位指名を公表した巨人と相思相愛とも言われるが、大学No.1右腕をやすやすとライバル球団に手渡す考えはない。大学No.1左腕の東洋大・藤岡貴裕投手、慶大・伊藤隼太外野手らとともに、10・27ドラフト会議直前まで菅野も徹底マークする方針だ。
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金の卵を獲得するには、どんな障壁も乗り越える。菅野の1位指名について、球団関係者は「可能性はある。会議前日まで検討することになるのではないか」と話し、あらゆる選択肢を排除しない方針を示した。
阪神は今秋のドラフト上位候補として、早くから大学生を中心にリストアップ。左腕の東洋大・藤岡や、強打の慶大・伊藤だけでなく、東海大相模時代から巨人・原監督のおいとして注目を集めてきた菅野も当然、候補としてマークしてきた。
そんな中、巨人は異例とも言える早さで昨年12月に、11年ドラフトの菅野1位指名を決定。原監督との関係もあり、周囲から見れば相思相愛ぶりはあまりに強固。菅野を一番に評価していながらも、撤退に傾く球団が出ても不思議ではない状況になりつつあった。
それに待ったをかける可能性があるのが、同じセ・リーグで宿命のライバル関係にある阪神だ。巨人は昨秋のドラフトでも中大・沢村を単独で1位指名。事前に巨人入りを熱望していると報じられるなど、さまざまな憶測を呼ぶ形で一本釣りに成功した経緯がある。
これには阪神球団内に「2年連続で優秀な投手が巨人に単独指名されるのはいかがなものか」などの声が上がっているのも事実だ。以前の逆指名制度ならともかく、現行のドラフトは1位指名が競合した場合はクジで交渉権を決めるシステム。どの球団にも公平に、あらゆる選手を獲得する機会があるからだ。
同時に、球団では、菅野が巨人以外の指名でも阪神からの指名ならば入団する可能性がある‐との意向を水面下でキャッチし、調査を進めているとの情報がある。ノーチャンスならばともかく、現時点でこちらから手を下ろす必要は全くない。
今後はまず8月中に東海大甲府の好打者・高橋ら高校生の評価を固める。藤岡や伊藤、明大・野村や近大・中後ら上位候補の大学生については秋のリーグ戦など、ドラフト会議直前まで成長具合を見極め、1位指名を決定する方針だ。
いずれにせよ、阪神として一貫しているのは、獲得に値すると判断した選手に対しては、何球団が競合しようとも、強力なライバルがいても敢然と指名するというブレない姿勢だ。逸材ぞろいの今ドラフト戦線、ルールにのっとった正攻法で勝ち抜く。
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