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炭鉱画巡り田川市が6100万円専決 

2011年06月23日

 炭鉱記録画家・山本作兵衛の作品がユネスコの世界記憶遺産に登録されたことに対応するため、田川市は作品の活用などのコンサルタント業務委託費用などの補正予算計約6100万円を専決処分した。22日にあった市議会の議会運営委員会で報告した。

 市によると専決処分をしたのは17日付。作品の活用などのコンサルタント業務委託(1580万円)▽市石炭・歴史博物館のトイレ改修(1千万円)▽保存や活用を検討する検討委設置(900万円)▽ホームページ作成(400万円)などを盛り込んだ。財源は市の預金にあたる財政調整基金を取り崩して対応する。

 市財政課などによると、作品の保存・活用策の検討や市外からの来客の増加を受けて、緊急に必要な事業を各課で挙げたという。

 これに対し、この日の議運では、多額の補正予算を市側の判断で専決処分したことについて賛否の意見が出された。

 ある委員は「このチャンスを生かさないといけない。(予算について)事後報告でもよい」と市の判断を支持した。一方で別の委員は「早めに臨時議会を開くなどの対応もあったはず。議会制民主主義を守るためにも審議は必要だった」と市側の対応を批判した。今後、各会派で専決処分について対応を検討することになった。

 専決処分への反対意見に対し、伊藤信勝市長は「それは委員(個人)の考え方。議会の意見は聞くが、専決処分は緊急にしないといけない事業だという執行権による判断だ」と突っぱねた。

 市議会6月定例会は24日に開会する。議運も同日中に開かれ、対応を協議するという。(林国広)

■専決処分■
 本来なら議会の議決が必要な事項を、首長が議会に諮らず自分で決めること。地方自治法に基づく行為。緊急で、議会を招集する時間がない時など限られた場合にのみ認められている。また、同法では、専決処分をした場合は次の議会で報告し、承認を求めなければならないと定めているが、不承認でもその効力に影響はない。

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