インドでは、急速な経済成長の陰で、富裕層の豪華な結婚式などで残される食べ物が社会問題となっており、インド政府は、食べ残しについての規制を検討する初めての会議を開きました。
インドでは、経済成長に伴い豊かになる人が増え、食べ残しが増える一方で、食料価格の高騰などから貧しい人たちの生活が圧迫され、反発も起きています。こうした格差の広がりが社会の不安定化につながりかねないとして、インド政府は、23日、初めて食べ残しについての規制を検討する会議を開きました。会議には、食料問題に取り組む活動家や政府の担当者らが出席し、あいさつに立ったトーマス食料相が「結婚式やホテルでの食べ残しを、いかに減らすかが課題だ」と述べ、政府として問題に全力で取り組む姿勢を強調しました。会議では、学校で食べ残しを減らす教育を進めることや、高級ホテルから出る食べ残しを貧しい人々に分配する仕組みを作るなどの提案や意見が出され、今後、さらに検討することになりました。インド政府によりますと、現在、結婚式やパーティーなどでは15%から20%の食品が食べ残しとして処分されているということです。国内では食料価格の高騰を背景に抗議デモも起きていて、インド政府としては会議を通じて、人々の生活を重視する姿勢をアピールするとともに、経済成長を維持しながら国内の安定を図るねらいがあるものとみられます。