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赤字11社 減益10社 東北・上場34社2・3月期

 東北の上場企業の2011年2、3月期決算が17日、発表日未定の2社を除いて出そろった。計34社(銀行を除く)のうち純損益は11社が赤字、10社が減益となり、東日本大震災の影響が鮮明になった。震災関連損失の計上は3月期決算の企業で相次ぎ、総額約1300億円に上った。12年2、3月期の業績予想は14社が公表を見送った。

 34社の内訳は2月期が8社、3月期が26社。震災の影響が決算に反映される3月期企業では、被害額算定のため発表時期の延期が相次いだ。山大(石巻市)、ジー・テイスト(仙台市)の2社は被害が大きく、発表日が決まっていない。
 各社の状況は表の通り。純損失は東北電力が最大で300億円を超え、太平洋側の火力発電所が甚大な被害を受けるなどし、過去最大の赤字。ガソリンスタンドなどが被害を受けたカメイ、工場が津波で被災した東洋刃物(仙台市)が、10億円を超える赤字となった。
 震災関連の特別損失は3月期の8割に当たる22社が計上した。金額では東北電が全体の8割以上を占めた。他に6社が10億円を超え、カメイ48億3800万円、日本化成(いわき市)43億8700万円、日東紡(福島市)20億円などとなった。
 2月期企業も多くが被災しており、12年2月期に関連損失を盛り込む見通し。ホームセンターのサンワドーなどは既に損失見込み額を公表した。
 純損益が増益か黒字転換となった企業は13社で、うち6社は震災の影響が反映されなかった2月期。3月期の7社のうち、やまやは震災関連損失10億円を計上したが、全国展開する酒類販売店の品ぞろえ強化などで過去最高益を確保した。
 売上高は小売業を中心に2月期の4社を含む計19社が増収。減収は製造業を中心に15社(うち2月期4社)となった。年間配当は増配が7社(2月期1社)、減配が3月期の6社、無配が9社(2月期3社)で、他の12社は前期の配当を維持した。
 12年2、3月期の業績予想は、東北電など14社が震災影響額の合理的な算定が困難とし、公表を延期している。他の20社の純損益は日本化成、カメイ、常磐開発の3社が黒字転換を見込むほか、小売りや製造を中心に9社が増益の見通し。建設や外食など8社は減益か赤字の予想を示した。


2011年06月18日土曜日


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