2011年06月20日 (月)甘かった缶コーヒー


「裸になれない心」ご覧頂きありがとうございます。
 
実は、この穂花さんの旅にはほんの少しだけ続きがあります。

幼い頃の穂花さんを覚えていて下さったお店の方。
このお店の方は、穂花さんに何を聞く訳でもなく、最後に私たちに缶コーヒーをくれました。
「暑いのに、ご苦労様。」
帰りの車で隣に座っていた穂花さんの手元には、頂いた缶コーヒーが大事そうに抱えられていました。
今さらながらに考えると、頂いた缶コーヒーは、穂花さんにとって過去の愛されたぬくもりの分身だったのかも知れないと思いました。

そんな彼女の姿を見ることができただけで、私は少しほっとしました。

私は、穂花さんに酷な質問を山ほどし、彼女が行くのを躊躇した場所にも連れていきました。でも最後に穂花さんにとって大切な再会がありました。

その方から頂いた缶コーヒーはとても甘くて、お店の方の優しさが体に沁み渡る、そんな甘さでした。

傷は心にずっと残って消えないけれど、人からもらった優しさや愛も心にずっと残っていて、そんな優しさや愛に再び触れたとき、ほんの少しだけ傷が癒えるのかもしれないなと、感じました。

この仕事を受けて下さった穂花さん。きっと私には想像のつかないくらいの覚悟を持って、赤裸々にお話をして下さったのだと思います。
穂花さんと初めてお会いした日から半年近くが経ちました。
穂花さんに多くの質問をしましたが、まだまだ分からないことだらけです。
人の人生は、その人にしか分からない気持ちが沢山あります。しかし、分からないからこそ、人はわかり合おうと時間を共有し、会話をし、相手のことを一生懸命想像しながら行動し、それが優しさだったり愛になったりするのかなと、当たり前のことかも知れませんが、この番組を通して、25歳の私は感じました。

最後に、ロケに協力して下さった方々、悩む私と一緒に悩んでくれたスタッフの皆さん、迷ったときに背中を押してくださったマネージャー小澤さん、そして、真摯にまっすぐ、思いっきりぶつかってきて下さった穂花さん、本当にありがとうございました。

 

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  (ディレクター:津田温子)

投稿者:ディレクター | 投稿時間:00:31

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