尼崎市のクボタ旧神崎工場周辺のアスベスト(石綿)被害を初めて告発した早川義一(はやかわ・よしかず)さん=尼崎市=が21日午前3時22分、悪性胸膜中皮腫のため、尼崎市内の病院で亡くなった。59歳。通夜は23日午後7時から、葬儀・告別式は24日正午から、いずれも尼崎市若王寺3の15の18、花金中園会館で。喪主は長男英典(ひでのり)氏。
同工場近くで生まれ育った。2003年12月に発症、04年に右肺を摘出した。05年6月、同工場周辺の健康被害について、既に亡くなった被害者の女性2人とともに告発。石綿健康被害救済法の制定につながった。
告発から5年を迎えた昨年6月、尼崎市内で開かれた集会では「石綿問題は根深く、今も被害者は増え続けている。これから長い闘いが始まる」などと訴えていた。自営業で、家族によると、今年に入り容体が悪化したという。
支援団体「尼崎労働者安全衛生センター」の飯田浩事務局長は「彼らがいなければ石綿問題が表に出ることはなかった」と述べた。
(2011/06/22 20:17)
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