「東京電力は、福島第一の事故直後に夏場の電力不足を示唆していましたが、実は供給量の中に揚水発電を入れていませんでした。また、福島県の広野火力発電所も、当初は復旧の遅れが伝えられましたが、7月中旬には運転再開できる見通しです」(飯田氏)
東京電力は震災直後に約3100万kWまで落ち込んだ電力供給能力が、8月末までに5620万kWまで回復すると発表した。昨年7月23日に記録した最大消費電力が5999万kW。この程度の電力不足なら、企業や個人が節電を心がければ、解消できる範囲内だ。
さらに民主党の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員長の川内博史代議士によれば、ここからの上乗せも可能だという。
「たとえば、日本全国には企業の自家発電分が約5600万kWもあります。東電の管内だけでも約1600万kW。他にも、国内には独立系事業者による発電能力が2135万~3495万kWもある。電力は十分にあるのですから、原発は順番に止めていけばいい」
つまり、「電力が足りない」というのは、原発を止めたくない電力会社のプロパガンダに過ぎない。そして川内氏は、「電力供給を柔軟に行うためにも、発電と送電を分離する、電力の自由化を大いに進めるべし」と語る。
これでもまだ原発なのか
実はここにも、電力業界の保身の論理が隠れている。独立事業者や企業が発電をしても、それを送るには送電線を使わなければならない。しかし、独占体制が崩れることを怖れる電力会社は、送電線を自由に使わせないことで、自由な電力供給を排除している。
東電は原発事故の賠償を「国策だから」と税金で支援するよう要請している。一方、同じく「国策」で作ってきた送電線は、自分たちの既得権益を守るため、他者には使わせない。そして「電力が足りない」と騒ぐ。こんな業界の自分勝手な理屈を覆すためにも、電力自由化は必須なのだ。
同時に、太陽光や風力、地熱などいわゆる「再生可能エネルギー」への転換を進めていけば、〝脱原発〟は十分に可能となる。
「NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によると、日本の潜在的な再生可能エネルギーには次のようなものがあります。
●太陽光→2万9550メガW(メガは100万)、火力発電所30基分
●風力→78万2220メガW、同782基分
●地熱→2万540メガW、同20基分
●中小水力→2万7600メガW、同28基分
これが普及するかは、国の姿勢次第です。技術はすでに完成しています。急げば10年で、総電力の約30~50%を賄えるようになります」(前出・藤井氏)
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