異常な人口減少を、「放射線に対する恐怖心が引き起こす心理的要因によるもの」などと説明する専門家もいる。しかし、一般的には、晩発性の放射線障害が人体を蝕み続けていることが大きな要因と見られる。
こうした事実は、政府も〝専門家〟も、熟知しているはず。にもかかわらず、平気でチェルノブイリの悪しき轍を踏み、さらに責任逃れに走っている〝原子力村〟の人々は、その正気を疑わざるを得ない。
せめて、周辺住民と国民をリスクに晒すのがごく短期間というならともかく、福島第一原発が「収束」に向かうのは、まだはるか先になりそうだ。
原子炉周辺の温度が110度~300度に乱高下し、いまだに不安定な状態が危惧されている同原発3号機について、米国フェアウィンズ社のチーフ原子力エンジニアを務めるアーノルド・ガンダーセン氏はこう警告する。
「3号機の温度が上がったり下がったりしている理由は、事故発生直後、冷却のため海水を大量に注いだからです。現在は水が蒸発して泥が残った状態で、新たに水を注いでも、泥に邪魔されて炉心にまで水が届かない。このため3号機は非常に危険な状態になっています。部分的な再臨界が起きているとも考えられ、再び水素が生じるほど高温化し、水素爆発が起きる可能性があります」
また同氏は、炉心に燃料棒が入っていないため、一般報道では〝ノーマーク〟になりがちな4号機についてもこう懸念を示した。
「4号機の建屋は、M7以上の大きな余震などにより、崩落する危険性があります。これが起きたら最悪の事態です。使用済み核燃料プールにある燃料が全部、空気中に晒されることになる。これから補強工事をするということですが、もしも崩落が起きた場合、米国エネルギー省のブルックヘブン国立研究所によれば、18万6000人が死亡するというデータもあります」
つまり、福島第一の状況は、収束に向かうどころか、いまだに破綻の一歩手前にあると見なければならない。
東京電力は5月17日、事態収拾に向けた「工程表」の改訂版を発表したが、メルトダウンの確定、高濃度汚染水の増加、3号機の不安定性など、不確実要素がいっそう増しているにもかかわらず、「収束まで6~9ヵ月」との見通しを変更しなかった。
彼らの言っていることは〝世迷言〟ではないのか。
「事故は9ヵ月程度では収束しません。メルトダウンが続く3号機は建屋の中がガレキの山で、作業は難航します。2号機は内部の湿度が高く、水素爆発の可能性も残っています。
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