この重大事実を衆院予算委員会で取り上げ、原子力安全・保安院に認めさせた、みんなの党・柿沢未途代議士はこう語る。
「全国の原発施設には、体内に取り込まれた放射性物質と、そこから出る放射線を測定する『ホールボディカウンター』が設置されています。実は福島第一で事故が始まった3月11日以降、計測の結果、要精密検査となる数値の1500cpmの内部被曝をしている人が続出しているのです。しかも発覚した4956件のうち、4766件は現場の復旧作業員でもなんでもなく、ただ『福島に立ち寄ったことがある』だけでした」
柿沢氏の質問を受け、答弁に立った原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、その事実をあっさりと認めた。しかも、実際には1500cpmどころか、「1万cpm以上」という異常な数値を示したケースが1193件もあったというのだ。
「cpm」は〝カウント・パー・ミニット〟の略で、1分間に計測される放射線の数を意味している。日本科学振興財団副会長で、明治大学名誉教授の藤井石根氏は、この事実を前に絶句した。
「4766人が福島に立ち寄っただけとは、正直、信じたくない事実です。しかも、1万cpmを超えた人が1193人とは・・・。普通なら、こんな数字が出るはずがない。残念ですが、福島はすでにチェルノブイリを超えているかもしれない」
また、内部被曝の影響に関する権威で、名古屋大学名誉教授の沢田昭二氏はこう語る。
「cpmは被曝しているかどうかの目安となりますが、1万cpmなどという数値は、深刻な値です。計測されたのは、おそらく体内に取り込まれたセシウムによるγ線でしょう。セシウムからは、内部被曝においてもっとも影響が大きいβ線も出ますが、こちらはホールボディカウンターで測れません。β線は透過力が弱いので体内に留まりやすく、電離密度が高いため、体内でDNAなどの細胞を切断する確率が大きくなる」
重大なのは藤井氏も驚いたように、「3月11日以降に福島県内に立ち寄った」だけで、これほどの内部被曝をしていることだ。
「直ちに人体に影響はない」「現時点では安全性に問題はない」という政府の発表を信じ、福島県内やその周辺には、まだ普通の暮らしを続けている人々がたくさんいる。立ち寄っただけで大量被曝をするような場所にずっと住んでいる人々は、いったいどれほどの内部被曝をしているのか・・・まったく見当もつかない。
「非常に深刻です。直ちに国は、広範囲で被曝調査を行う必要があります。東京にも、風向き次第で大量の放射性物質が飛来します。もはや『心配ない』などとは決して、言えません。
福島第一原発からは、いまでも水蒸気と一緒に放射性物質が飛散しています。福島県の住民の方々には、将来にわたって国にきっちりと責任を取らせるため、被曝者手帳を持たせるべきです」(前出・藤井氏)
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