浄化設備 性能出ていないおそれ
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浄化設備 性能出ていないおそれ

6月22日 19時17分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所では、本格運転の再開が遅れている汚染水の浄化設備の性能が予定どおり出ていないおそれがあることが分かり、東京電力で急きょ原因を調べることになりました。本格運転の再開のめどはまだ立っていないということで、汚染水対策は一進一退の状態が続いています。

福島第一原発では、汚染水対策の柱としていた浄化設備の本格運転再開が遅れるなか、東京電力は試験運転で、アメリカ製の装置が汚染水から放射性物質をどれぐらい取り除いたかについてのデータを公表しました。この中では、セシウム134と137という2種類の放射性物質の濃度は、それぞれ元の汚染水から100分の1程度しか下がっていませんでした。濃度が低い汚染水を使った試運転では、放射性物質の濃度は1000分の1程度に下がっていたことから、東京電力では急きょ、性能が予定どおり出ていない原因を調べることになりました。このため、あと2日程度としてきた本格運転の再開は、再びめどが立たない状態になったとしています。その一方、これまでの試験運転で1700トン余りの汚染水を浄化したことに加え、すでに満水に近い状態となっている「集中廃棄物処理施設」の一部の建屋に1500トンの汚染水を追加で移送することで、これまで、今月29日ごろには汚染水があふれ出すおそれがあるとしてきたのに対し、5日程度先送りすることができるとしています。さらに東京電力は、汚染水の増加を抑えるために、21日から、1号機から3号機までの原子炉への注水量を減らしたうえで、原子炉の温度の変化を注意深く見守っていて、浄化装置のトラブルが相次ぐなか、汚染水対策は一進一退の状態が続いています。