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菅首相:「あきらめないこと」強調 「花道」へ粘り腰

自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」であいさつしネット中継される菅直人首相=首相官邸で2011年6月19日、梅村直承撮影
自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」であいさつしネット中継される菅直人首相=首相官邸で2011年6月19日、梅村直承撮影

 菅直人首相が「一定のめど」で退陣する意向を表明した6月2日から半月以上が経過した。その間、東日本大震災の被災地視察を繰り返し、11年度第2次補正予算案だけでなく「3次補正」にも意欲を示すなど、早期退陣に抵抗する姿勢を示し続けてきた。首相は周辺に「時期が来たら(首相ポストを)譲るから、それまではやりたいことをやらせてほしい」と話し、納得のいく「花道」を求める粘り腰をみせている。

 「私にとって二つキーワードがある。『あきらめないこと』と『参加民主主義』だ」

 菅首相は19日、再生可能エネルギーに関してインターネットを通じて意見交換する「オープン対話」に臨み、80年の初当選直後から風力などの再生可能エネルギー利用に取り組んできたことを強調した。首相は再生可能エネルギーの固定価格買い取り法案を退陣までに成立させたい意向も民主党執行部に伝えており、中継でも「かなり長い間、思いの強いテーマ。そういう意味では(私は)しつこい」と語った。

 菅首相は退陣自体を否定してはいないが、震災・原発事故対応の失敗を認めるような形で退陣に追い込まれるのは避けたい気持ちが強いようだ。ネット中継では震災復興などについても「こういった形での意見交換をぜひやりたいと思っている」と意欲を語った。

 首相の粘り腰には民主党執行部の一人も「退陣を直接迫ったら逆に辞めなくなる」と手を焼いてきた。首相の早期退陣を前提に特例公債法案の成立に協力する姿勢を示す自民、公明両党の疑心暗鬼も招いている。一方、首相に大幅な内閣改造を進言している国民新党の亀井静香代表は「まなじりを決した首相に与野党を問わず協力するのは当たり前の話だ」と早期退陣論をけん制。「秋口になると(四国の)お遍路の道も涼しくなる」と8月までの続投にも理解を示す。【田中成之、高橋恵子】

毎日新聞 2011年6月19日 22時53分(最終更新 6月19日 23時24分)

 

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