たったの15年間で、「村上隆」は世界が決して忘れない名前になった。
村上隆の創り出すペインティング、立体作品や巨大なバルーンなどのアート作品は、いつもカラフルで魅力的で、アニメのキャラクターのように愛らしく親近感に溢れています。一方で、その作品は強く、したたかに、西洋の長い歴史の中で培われてきたアートのルールそのものに介入し、まさに、その内部から、おたくやキャラクターに代表される「日本」という外部性を武器にじわじわとアートの世界を改革してきました。
アーティストとして、西洋と日本、過去と現在、アートとポップカルチャーなどの境界線に挑戦してきた村上の活動はアート作品の制作にとどまらず、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションでもアートと商業の境界にも疑問を投げかけ、世界を驚かせました。
また、村上はキュレーターとして、アメリカを中心とした世界のアートシーンに対して、日本のアートを紹介するスーパーフラット3部作のプロデュースも行っています。
日本では明確な区別のないアート、アニメ、マンガなど、様々なアーティストの作品を村上独自のコンテキストで選び、集めて、海外のアートのルールに従い、わかりやすく紹介する、それがスーパーフラット3部作で村上が試みたことでした。3部作の最後を締めた「リトルボーイ」展ではこれまでになく政治性が溢れ、原爆や戦後日本の大衆文化を革新的に表現することで、歴史の新たな解読を提案しました。
村上は、「日本」という国を、内からも外からも見つめ直すことを提案しながら、世界へ日本のアートを紹介し続けています。今もその作業を止めることなく、カイカイキキでは若いアーティストに機会を与えるアートフェアGEISAIを主宰し、2007年より米国マイアミでも開催をスタート。また、2002年に設立したカイカイキキでは、若手アーティストの才能を育成・マネジメントしながらアートの未来を切り開いています。
「アートの持つポテンシャルを実証する」。村上隆を突き動かしているのは、そんなアートに対する熱い想いです。
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