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カツオ水揚げ断念 原発影響で買い手付かず 小名浜港

河北新報 6月22日(水)6時13分配信

 カツオの水揚げが最盛期を迎えているはずの福島県いわき市小名浜港で震災後、カツオはおろか1匹の魚も水揚げされていない。漁港の設備は復旧しているが、福島第1原発事故の影響で水揚げしても買い手が付く見通しが立たないため。水産関係者は「いつ水揚げできるのか」と頭を抱えている。

 八丈島付近で操業中の酢屋商店(いわき市)の船団は今月1日に小名浜港を出港し、20日に同港にカツオを初水揚げする予定だった。震災後初の魚の水揚げになるはずだった。
 しかし直前の19日になって買い手が付かないことが分かり、カツオ船は千葉県の銚子港に回った。
 回遊魚のカツオは週1回、全国の水揚げ港から放射性物質のサンプリング調査に回され、安全性確認を受けている。また小名浜港周辺ではいわき市が毎日、大気中の放射線量をチェック。県も小名浜港の海水を計測しており、いずれも問題となる数値は出ていないという。
 それでも敬遠されていることに、酢屋商店の野崎哲社長は「安全な魚だからこそ、銚子港に揚げられる。それなのに小名浜で値が付かないのは、福島だから。消費者の気持ちを考えれば仕方ないかもしれないが、どっちに揚げても同じ魚なのに」と悔しがる。
 一方、流通関係者には小名浜港で水揚げされた魚を扱うことに、ためらいがあるようだ。スーパー「マルト」(いわき市)の鮮魚担当者は「安全性が確認できれば、もちろん小名浜産を売りたい。しかし何をもって安全とするかが悩ましい」として現時点で販売する予定はないという。
 ヨークベニマル(福島県郡山市)も小名浜の魚を扱うかどうかについて「対応を決めかねている」という。
 いわき市の仲卸業「一叶水産」の大谷知一社長は、取引先である東北各県や首都圏の市場の雰囲気について「取引先の全てが小名浜の魚はだめというわけではない。国などの安全宣言があれば、心配は薄らぐのではないか」とみる。
 福島県漁連会長でもある野崎社長は「求められる安全性のハードルは高いが、1回でも水揚げできれば県の検査で安全性が証明されると思う。実績を積みたい」と話す。

最終更新:6月22日(水)6時13分

河北新報

 

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