映画「戦場にかける橋」で知られるタイ・ミャンマー間にかかる泰緬(たいめん)鉄道建設に陸軍通訳としてかかわった永瀬隆(ながせ・たかし)さんが、21日、岡山県倉敷市内の病院で死去した。93歳だった。葬儀は親族のみで行う。
永瀬さんは大学卒業後、英語通訳として陸軍省に入った。太平洋戦争中の1943年にタイに赴き、総延長約415キロの泰緬鉄道建設にかかわった。
戦後、倉敷市で英語塾を営みながら、過酷な建設労働で犠牲になった連合国軍捕虜やアジア人労働者を悼むため、135回にわたりタイを訪問。「戦場にかける橋」で有名になったクワイ川鉄橋で、元捕虜と旧日本兵との再会を実現させた。橋の近くに寺院を建立し、87年にはタイの子どもの教育のために「クワイ川平和財団」を設けた。