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2011-06-22

摩擦読書のススメ - 『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ』成毛眞

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人生論(『大人げない大人になれ!』)でカッと熱くなり、読書論で(『本は10冊同時に読め!』)鼻息が荒くなった俺が次に手にしたのが読書論の実践編である本書。これ、ある休日の午後の出来事。著者の牽引力の強さに完全にやられた。本書を読了した直後、俺は電車に飛び乗って博多駅の丸善にいたのであった。この人の書く文章は読んだ者の行動をすぐに変える。まあ、俺がその気になりやすいっちゅうのも多分にあるのだが。その気になりやすい、というのもある意味、才能…違うか。


目次

第1章 超併読のある生活

第2章 賢者の読書、愚者の読書

第3章 経営者は自然科学に学べ

第4章 書評の技術

第5章 賢者の蔵書棚を作ろう―厳選ブックガイド


浴びるように本を読んできた著者が、その営為を通じで完成させてきた読書法を惜しげもなく披露してくれた一冊。本書一冊に膨大な元手がかかっているのは一読すれば明らかで、何トンにも及ぶ書籍と戯れてきた者だけが書ける類のもの。贅沢。


本書の中で、とにかく俺が肝に銘じておこうと思った部分を引用。

たとえば今、家を買って借金をしている人は、「これからはインフレになる」と主張する本や雑誌の特集を読みたくなる。逆に年金生活者は、「デフレが続く」と主張する本や雑誌を読みたいと思う。それは、「自分の願望を理論化してくれる本や雑誌を読みたい」「主張を聞きたい」だけであって、それでは将来経済が本当にどうなるかはわからない。

自分の好きなものしか目に入らなくなったら、おしまいだ。(48ページ)

「我が意を得たり」「完全に同意」などといったなんの摩擦もないツルツルの読後感は、元から自分の頭の中にあった考えを、他人の文章で再確認しただけ(あるいは、「そうそう、俺もそう思ってたんだよね」と脳が都合よく嘘を作り出しただけ)であり、そんな読書をいくら重ねてたところで、偏狭なオノレの考えをより一層強化するだけ。あるいは、書籍の中から都合のいい部分を恣意的に引用して、自分語りのクソ書評を展開するダシにするための読書ならそれでもいいかもしれないが。



読書の醍醐味を、自己の粉砕・破壊・拡張・再生に見いだせるようになれば、それはおそらく死ぬまで楽しめる最高の娯楽。そのためにはやっぱり、多読しかなさそう。




成毛眞氏の著作3冊を通じて読書という豪気で贅沢な営みの魅力を再確認できた。と同時に俺はまた一人、信頼できる書評家も得たのである。氏の膨大な読書のフィルターをくぐりぬけた珠玉の快著が紹介されている『成毛眞ブログ』は必読。これぞ賢者の余滴。

成毛眞ブログ




駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

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