Excite Bit

海外のチャイナタウンと横浜中華街が違うワケ

2011年6月16日 08時00分

トロントのチャイナタウン。日本の中華街とはまた違うムード。

[拡大写真]

ニューヨーク、バンクーバー、ロンドン、シンガポール、シドニー……などなど、世界各地に数えきれないほどあるチャイナタウン。漢字の看板があふれ、アジアの香りが漂うチャイナタウンは、エスニックムード満点。海外にいて、さらなる異国情緒を味わえる場所だ。

日本にも横浜をはじめ、いくつか中華街があるが、海外のチャイナタウンとはだいぶ雰囲気が違う。ひとことでいうなら、非常に観光地化・繁華街化しているのだ。もちろん、海外のチャイナタウンも観光スポットとしてガイドブックなどに紹介されているが、現地の中国系住民の生活の場という雰囲気が色濃いところが多い。

一方、日本の横浜中華街などは、日本語で呼び込みをする店員もいるし、料理も日本人の口に合うものが多い。日本語が通じずに困ることなどなく、それでいて、ちゃんと中国的な非日常ムードも楽しめる。

なぜ、これほど違うのか？　そのナゾを解き明かしてくれた本が、『なぜ、横浜中華街に人が集まるのか』（祥伝社新書）。作者は横浜中華街の老舗料理店「萬珍樓」代表の林兼正氏だ。

理由はシンプルだった。本のなかで林氏は、「世界の中華街は中国人のため、横浜中華街は日本人のため」と書いているが、たしかにその通り。実は、横浜中華街では、戦後の焼け野原からの復興の際に、「同郷の人々のための商売でなく、日本人相手の商売をすること」に決めたのだという。

そこに暮らす中国人にとって、中華街は大事な土地であり、故郷である。だからこそ、子どもや孫たちへ町を残したい。そのためには町が賑わい、そこで商売が成り立つようにすることが大事。そんなふうに考えて町づくりをしてきた結果、いまでは年間2,300万もの人が横浜中華街を訪れている。

本では、横浜中華街の町づくりの歴史や発展の秘密、成功のルールなどを、あますところなく紹介。実際の取り組みのなかにも参考になることは多いが、なんといっても学ぶべきは町の人たちの「志」の高さだろう。…

他にもこんなコネタがあります

関連キーワード

ライター情報： 古屋江美子

フリーライター。旅とグルメを中心にウェブや雑誌で執筆中。地元山梨びいき。
好物＝昼寝、ビール、読書（どれもビーチかプールサイドなら尚良し）

関連ブログ記事： ... +ブログを書く

つぶやき： ... +つぶやく

投票数： ... +投票する

  • このページをYahoo!bookmarksに登録する
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Check
2011年6月16日

関連リソース

ライター「古屋江美子」の他の記事を読む

最新コネタ

総合 ランキング

  1. 1. 吠えまくる米倉・経団連会長　菅首相への「怒り」の背景
  2. 2. 「刑務所行け」堀江Tシャツに賛否　ロゴ使われた企業「極めて遺憾」
  3. 3. どんなトラブルがあったのか？　仮設住宅の建設に携わった人たち
  4. 4. 男性があなたの「体目当て」かどうか見抜くポイント5つ
  5. 5. すぐカラダを許してしまうオンナ!?　花街遊女症候群
  6. 6. 菅総理に教えたい！？ スターたちの“引き際”成功例＆失敗例
  7. 7. ＜国会＞「菅降ろし」与野党で　会期延長再調整へ
  8. 8. ８割が栄養バランス勘違い 園児の弁当、母親を調査
  9. 9. ＜金融庁＞災害対応マニュアル化　「首都直下地震」に備え
  10. 10. 少女時代メンバーに「整形疑惑」 昔の写真と「同一人物だと思えない」

注目の商品