今後も支援を続けると話す三重水産協議会の永富代表(右から2人目)=鈴鹿市白子で
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県内の漁業関係団体でつくる三重水産協議会が取り組む、中古漁船輸送プロジェクトの第1便が28日、鈴鹿市白子(しろこ)の市漁協前から宮城県石巻市へ向けて出発した。東北地方の漁業復興支援のため、使われていない中古漁船を修理して寄贈する。同漁協から寄せられた7隻が被災地に贈られた。
東北地方沿岸部は漁業が盛んだが、大震災の津波で壊滅的な被害を受けた。三重は、カキ養殖の種ガキを宮城県から仕入れるなど関わりが深い。被災地を訪れた同協議会の永富洋一代表(68)が中心となって支援を決め、県内の漁協に協力を呼び掛けていた。
贈られるのは、1〜2トン級の小型漁船7隻。地元の漁業者6人が、使用頻度の低い漁船などを提供した。塗装を塗り直し、船体にはエールを込めて「絆(宮城・三重)」の太文字を入れた。
同協議会は数百隻を目標にしているが、船の補修に1隻数十万円、輸送費なども必要だ。永富会長は「すでに100隻ほどの提供申し出がある。現地の要望がある限り贈り続けたい」と訴えた。
あなご漁用の漁船1隻を提供した佐野尚之さん(73)は「漁師は助け合いの精神が大事。向こうも漁師やで、船があれば頑張ってくれると思う」と話した。
同プロジェクトは今後、流通関連企業と協力して水揚げした魚介類を全て買い上げ、被災地の漁業者の収入も確保するという。
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