覚悟だけの人

  • author: kotakotaokota
  • 2011年06月16日

日本人拉致は国家犯罪であり、人道上の罪であり他国の主権を侵犯する平和に対する罪である以上、日本国の国是として被害者の即時帰還を求める事は当然すぎるほど当然だと思います。しかし、以下に引用する某ファンクラブ会長さんの文章を読んで皆さんは何を感じるでしょうか?

覚悟なき人たち

拉致事件ひとつ見ても解決方法は自ずと定まっています。北朝鮮を徹底的に破壊し、朝鮮人を殲滅しない限り拉致被害者は絶対に日本に戻ることはないでしょう。もちろん、朝鮮動乱の様相となれば拉致された人たちもただでは済まないと思いますが、万に一つの奪還の可能性を模索するなら北朝鮮を火の海にする以外に方法がないのです。自国民の10分の1以上(300万人) を餓死させてなお、汲々として自己保身だけに走る金正日とその取り巻きたち。さらにこれだけの餓死者が出てなお独裁者に立ち向かえない愚かな朝鮮民族。そのすべてのベクトルが指し示すのは「北朝鮮という政体そのものが崩壊しない限り、いかなる問題も解決しえない」「そして、その政体を打ち倒す力は愚かな朝鮮民族にはない」 という答えです。であれば、拉致事件の一番の被害国となっている日本が自らの責任(国家は国民の生命と財産を守ることを第一義とする) に立脚して北朝鮮の物理的処分に乗り出すしかないのです。この程度の覚悟もなく、ただひたすら「もう我々の忍耐は限界だ! もっと話し合いを続けるぞ!」 と馬鹿の極みとしか思えない主張を繰り返す連中が拉致被害者奪還の主役面をして、「朝鮮人と戦う覚悟決めた人たち」 を罵っています。非道の極みたる人非人、野獣の如き朝鮮人と戦うということがどういうことなのかを理解できない、あるいは理解しても覚悟できないのであれば、さっさと運動から降りて日常に帰るべきでしょう。こういった手合いは、日本で唯一朝鮮人と真正面から戦い続けてきた行動する保守運動の邪魔以外の何物でもありません。

この文章の中で使われているレトリックの中で最も危険な箇所は、「北朝鮮の政体が崩壊」しなければ拉致被害者問題を含む全ての問題は解決しえない、としながら、何のロジックもなく「朝鮮人を殲滅」する事を並列的に述べて、「国家の犯罪」を「民族の犯罪」にすり替えているところでしょうか。自国民の10分の1以上(300万人)を餓死させられても自国政府打倒に立ち上がれない愚かな民族、という表現と、非道の極みたる人非人、野獣の如き朝鮮人という表現に整合性もまた認めることはできません。

そして、その国家も国民(民族)も一緒くたにした敵意は物理的処分という言葉に収斂され、民族的優位性を似非科学で立証し、劣等「種族」を「物理的処分」しようとしたどこかの国家社会主義政党との相似性を感じます。

この拉致問題が日本人の怒りに火をつけてから、「もしこれがアメリカなら戦争をも辞さない徹底的な救出作戦を実行しただろう」という指摘があったように、両国間で戦火が交えられたとしても決して不思議ではないと筆者も考えています。しかし、「国家間衝突の最終形態」である戦争と「処分」という表現から推測される事態は明確に異なると思います。

拉致被害者救出のため北朝鮮を火の海にする事と、「朝鮮人と真正面から戦う」とはどういう関連を持っているのか・・・・この答えが引用文の最初、「北朝鮮を徹底的に破壊し、朝鮮人を殲滅しない限り」という箇所にあるのなら、これは明確に「朝鮮人浄化」を指し示しているものと思われます。

方や「方法論」で中核派もどきの「崩壊期=虐殺期」(内乱・内戦)を提起しながら、物理的な「朝鮮(人)処分」による拉致問題解決を唱えるとすれば、それは、「拉致問題を梃子に、文化文明論的にも歴史的にも決して日本に存在しなかった<民族浄化を含む排外主義>を日本に根付かせようとする」試みであると言えます。

おそらくこの文章は、東京で行われた拉致関連のデモについて、事後に「綺麗事保守」から「寄生虫」と罵倒された事への意趣返しで書かれたものと思われますので、怒りにまかせて相当筆が走ったものとは思いますが、ここまであからさまに「本音」が出たのは始めてではないでしょうか。

しかし、この某ファンクラブ会長さんに、「北朝鮮処分=外形的には戦争」の前にシナ共産党の介入を阻止する外交的駆け引きや、国内に於いて「朝鮮人と真正面から戦う虐殺期」に突入する中で自国民保護を名目とする「韓国政府」の介入を防止するような芸当ができるとは到底思えません。

先の大戦で日本が締結した防共協定をもって、日本と独逸の戦争を並列的に評価する事に反対する保守派の一人として、このような「トチ狂った論理」を祖国に持ち込ませるような動きには断固として反対します。

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