21日相場見通し 外部環境改善も、国内政治はハイジャック状態で上値は重い

  20日のNYダウは3日続伸し、ナスダック総合指数は4日ぶりに反発した。VIX指数(恐怖指数)は同1.86(8.51%安)の19.99だった。ユーロ圏の財務相会合で、ギリシャへの第2次金融支援の方針を確認したことや、7月の融資決定は持ち越したが、民間部門の関与についてデフォルトを避ける方針を明記したこと、さらに、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充でも合意したこと、が好感された。

  NY円相場は3日ぶりに対ドルで反落し、対ユーロで4日ぶりに反落。NY原油先物相場は反発。NY金先物相場は5日続伸。シカゴ日経平均先物(円建て)は9430円大証清算値比80円高だった。

  米株が堅調で、円高が一服した。これが好感され本日の日経平均も堅調な動きが期待できそう。想定レンジは9300円〜9500円程度。だが、買い一巡後は上値が重くなるとみている。外部環境は改善しても、内部要因で相場を押し上げる材料は皆無だからだ。特に、政局の混迷が相場の頭を力強く抑えている。また、ギリシャ議会が本日、中期財政計画の成立を目指し、前週発足した改造内閣への信任投票を実施する。この結果を見極めたいとのムードも強まる公算が大きい。

  菅首相は20日夜、首相公邸で岡田幹事長ら執行部と約2時間協議した。そこで、首相は自然エネルギーの全量を固定価格で買い取ることを電力会社に義務付ける特措法案の成立に意欲を示し、物別れに終わったという。そして、首相は本日記者会見を開き、赤字国債法案、2次補正、特措法案の成立を最重要課題として延長国会に臨む方針を示し、退陣時期や条件には言及しない見通しだとも伝わっている。これでは野党の反発が強まり、重要法案成立に協力は得られず、国会は空転し、政治空白は長引くことになる。時期が明確でなくとも、早晩辞めることが決まっているリーダーの下では、重要法案は一切成立することはないのだから。今の日本号は、よど号ではないが、スッカラカンにハイジャックされたような状態といえよう。

  外資系証券9社の寄り付き前の注文状況は、売り1930万株、買い1690万株、差引き240万株の売り越しと観測。14営業日ぶりの売り越し。金額(9社)は、売り226億円、買い233億円だという。

  本日の外資系の特徴は、米国系証券は売り越し、欧州系証券は買い越しの会社が目立つもよう。セクター別では、売り:電機・薬品・情報通信・精密・小売・建設・REIT・自動車・非鉄など。買い:電力・銀行・自動車・化学・電機・精密・鉄鋼・小売・食品・硝子・保険・情報通信など。(編集担当:佐藤弘)

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