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2020年オリンピック招致の断念について


  本市では、平成21年10月以来、2020年オリンピック招致開催の実現可能性について検討してまいりましたが、招致を断念することにしました。
 招致検討に当たって、市民の皆様や地元競技団体・経済団体等から貴重な御意見や温かい御支援をいただきましたことに、心から御礼を申し上げます。
 以下は、平成23年5月22日に開催した「2020年オリンピック招致検討委員会第6回会議」終了後、市長が発表した招致断念についてのコメントです。


 

 2020年オリンピック招致の断念について

 

 2020年オリンピック招致については、秋葉前市長は核兵器廃絶の実現の年となると信じておられる2020年に、被爆都市広島において、「平和の祭典」であるオリンピックを開催するならば世界史的な意義があると考えておられました。その実現に向けて世論の理解を深め、気運を醸成すべく招致検討委員会を設置され、多くの自治体の皆様の御協力を得ながら、熱意を込めて招致に向けての取り組みを進めてこられたと受け止めています。

 私も、「平和の祭典」であるオリンピックが広島で開催されるということになるならば、世界史的な意義を有していると考えており、大変喜ばしいと考える一人であります。

 しかしながら、公約の段階から、2020年の開催に向けて招致活動を行うことは困難であると申し上げてまいりました。以下、その理由を説明させていただきます。

 「2020年ヒロシマ・オリンピック基本計画(案)」は、オリンピックの開催はもちろんのこと、スポーツの振興、そして核兵器廃絶という3つの大きな夢を実現しようとする壮大な計画であると思いますが、私としては、スポーツの振興と核兵器廃絶はそれぞれ重要な課題であり、別々のものとしてしっかり対応する必要があると考えています。

 したがって、ここでは純粋にオリンピック開催にかかる基本計画(案)についてのみ言及します。

 基本計画(案)では、広島でオリンピックを開催するため、従来のオリンピックにはない全く新しいオリンピック開催モデルを提案されており、財政計画、施設整備、観客移送など、多岐にわたる分野で様々な新しいアイデアが盛り込まれ、夢のある素晴らしい提案となっています。

 例えば、財政計画においては、市の持ち出しを抑えつつ、主に世界の皆さんからの寄附によって賄うアイデア、施設整備では、競技会場やオリンピック選手村宿泊棟等は仮設施設を多用し、それを次回以降のオリンピックでも再利用する、観客は市内のみならず他都市で宿泊するようにするなどです。

 これは、商業的な手法により成功体験を重ねてきている、ここ最近のオリンピック大会の流れをボランティア的な手法によるオリンピック大会に変えよう、豪華な施設ではなく、最低限必要な施設で真の競技ができるように変えてみよう、1都市開催を原則とするオリンピックを複数都市開催も可能になるような足がかりをつくって行こう、というように壮大な構想が背景にあるものと受け止めました。

 基本計画(案)はこのような構想をもとに作成されたものであり、オリンピック開催に向けて進もうとする場合の重要なコンセプトを提示するものとなっており、それ自体の是非が問われていることを問題視するものではありません。

 私は、むしろ基本計画(案)とは別に、今後の招致活動や開催準備などを見通すことができるスケジュールや手順などの工程表こそが夢を実現させるために不可欠であると考えておりますが、そういった工程表が見当たらないことを問題視するものです。工程表を検討した形跡も見当たりません。

 2020年オリンピックの開催地は、IOC(国際オリンピック委員会)総会で委員の投票によって決定されるものですが、それに向けた具体的な戦略や作戦はどのようなものになっているのでしょうか。また、そのための人員、コストは誰がどのように賄うことになっているのでしょうか。

 JOC(日本オリンピック委員会)が広島を日本としての立候補地とすることを認めてから後、はじめて招致活動が本格化することになるはずですが、その招致活動に必要な原資について、具体的にいつどこから確保するのかといったことが示されていません。招致に向けて踏み出すことのリスクを十分に考える必要があるのではないでしょうか。

 また、今までにないコンセプトで、IOCの委員の判定基準を抜本的に改めてもらうことなくしては、実現しない壮大な試みです。まずもって、地元の人々がまた日本全体がこのコンセプトの変更を圧倒的な多数で支持するということなしにIOC委員を説得できるのでしょうか。

 また、広島アジア競技大会関連の借入金の償還が未だ続いている広島においては、招致活動を全面的に支えるだけの余裕があるのでしょうか。

 このように、多くの疑問を残しながらも2020年に至るまでの工程が検討されていない中で、オリンピックの招致活動を行っていくことは困難であると言わざるを得ず、2020年オリンピックの招致を断念したものです。

 これまで市民の皆様をはじめ御支援くださっている自治体の皆様の御期待にお応えすることができない結果となりましたことを、大変に申し訳ないと思っており、心から皆様にお詫びいたします。

 

平成23年5月22日

広島市長 松井 一實


-お問い合わせ-
市民局文化スポーツ部スポーツ振興課
電話: 082-504-2815
FAX: 082-504-2029
メール: olympic@city.hiroshima.jp

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