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WPTCとは、2年に1度アメリカで開催されている製菓の国際コンクールです。いわば、お菓子のワールドカップ!
2010年度で5回目を迎え、フランス リヨンで隔年開催されている“クープ・ド・モンド ドゥ ラ パティスリー”と並び、世界のトップパティシエから近年注目を集めているコンクールです。
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2010年07月30日(金)
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味覚を担当する五十嵐は、すべての作業をもっとも効率のよい順番で組み合わせていた。開始20分後には修理が終わったとはいえ、厳格な試食時間での提出を求めるWPTCにおいて、スタートでオーブンが使えなくなってしまったことは大きなハンディとなった。
さらに、他のキッチンでブレーカーが落ちるトラブルが頻出し、そのたびにブレーカーの修理が必要となったのだが、そのブレーカーは日本チームのキッチンの中、しかも山本が使うテーブルの下に設置されており、修理のたびに山本の作業が中断されてしまった。日本チームはテーブルのサイズに合わせたラックを特注しており、テーブル下には隙間がまったくない状態で、技術者がラックを一度出してからテーブルの下に潜って修理するという作業が数回行われた。
また、当初から優勝候補として注目されている日本チームのキッチン前には、審査員やプレスが多く集まり、メンバーがなかなか作業に集中できない状況となってしまったこともチームにとってマイナスであった。各国の審査員に加えて、MOFステファン・ルルーやMOFセバスチャン・キャノン、クープ・デュ・モンドで優勝しているエン・ミン・スーなどが日本チームの仕事に注目しており、彼らから多くを学びとって自身のスキルをアップしてきた日本人選手たちにとって、自分が行っている作業がどのような意味を持つのか、的確に見抜いてささやき合っている姿は、プレッシャーがかかり、大きく気が散る要因となったのである。
味覚審査には5項目あるが、一日目は皿盛りデザートのみが試食される。日本チームはオーブンのトラブルによる遅れも何とか取り戻し、順調に進んでいるように見えた。だが、五十嵐が気がつかない間に、急速冷凍庫の温度が急激に上がってしまっていた。ヴァニラアイスクリームはしっかりとエッジを出すために、型に絞って冷凍してから外すことにしていたのだが、まったく固まっておらずきれいにはずすことができなくなってしまったのだ。五十嵐はシリコンの型を切り裂いて何とか形にしたが、アイスは試食に出す前に溶け出し、思ったようなきれいな仕上げにはならなかった。味的には問題なく、本来の形を知らない審査員にはそれほど問題ない出来栄えであったが、この失敗は完璧を目指すメンバーたちにとっては大きなショックとなり、作業終了後、選手たちはそのショックを隠すことができなかった。前回大会でも日本チームは皿盛りデザート提出の際、オーブンのトラブルでタイミングを逸しており、前チームのメンバーの一人で、応援に駆けつけた藤田浩司は「自分たちのときの悪夢がよみがえったかのようだった。」と真顔で語った。今にして思えばトラブルの予兆はあった。大会前日に到着するはずだった応援ツアーの一行がフライトのトラブルのため成田空港に待機となり、到着していなかったのだ。
大会2日目は6時開始であるため、選手は4時起きとなる。前日のトラブルをなるべく挽回できるよう、前夜再度入念な打ち合わせを行って試合に臨むこととなった。だが2日目開始早々、再度問題が発生する。他国の審査員から「日本チームが今朝吹きつけしたチョコレートの型を持ち込んだ」と言いがかりがついたのだ。もちろん、そんな事実は一切なく、また、審査委員長が2日目のキッチン検視ならびに選手の入場の際にそのような事実は全く見られなかったと説明するが、納得のいかない他国の審査員は「証拠を見せろ」と譲らなかった。最終的には全審査員を集めたうえで、そのような事実はないことが確認されたのだが、そのために日本チームが受けた仕事の妨害は少なくなかった。
しかし、2日目はやっと到着した家族を含む応援団からの声援もあって、日本チームは徐々に本来のペースを取り戻したようだ。味覚部門の提出はすべて順調に進み、ピエスの作成も自分たちが理想とするすべての作業を終え、多くのプレスをキッチン前に集めて、日本チームの作業は終了した。今回のテーマは「Childhood(幼少期)」で、日本チームはプレゼンテーションテーブル上に永遠の子供であるピーターパンの世界を表現した。アメ細工で空を飛ぶピーターパンを、チョコレートではフック船長を表している。
WPTCでは作業終了が競技終了を意味していない。キッチン前のプレゼンテーションテーブルにピエスを運んでからが、芸術部門の審査が開始となるのだ。そして、ここでまた、最後の最後でトラブルは起こる。隣のチームがキッチンからテーブルまでピエスを運ぶ際に、なぜか日本チームのテーブルぎりぎりを通ろうとしたのである。幸い問題なく運ばれたが、すでに日本チームのチョコレートピエスがおかれたテーブルに、運んでいるピエスが倒れることを想像して、選手だけではなくその場にいるすべての観衆が息をのんだ。
アメ細工ピエスは大観衆が見守る中、全チーム中最後に運ぶピエスとなり、それがテーブルに置かれた瞬間、大きな喝采が起こった。3人の1年間の練習の成果をやっと発揮できた瞬間であった。終了直後のインタビューで、キャプテンの山本は「優勝できるかどうかは分からないが、とにかく、自分たちの持てるすべてを発揮して作業を終了したことに大きな満足感を得られた。」と語った。また、「多くのトラブルがあったが、どのように思うか?」との質問には「大会にはトラブルや国同士の争いがつきもので、それを想定した練習をしてきたが、今回は自分たちの想定が甘かったのだろう。特に何かに対し特別な感情を持つようなことはない。」と返答し、アメリカのインタビュアーに大きな驚きを与えた。
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レポート:WPTCオフィス 上村
Posted at 11:08 |
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