カオスラウンジと「盗作」問題

カオスラウンジとは。

「カオス*ラウンジ(CHAOS*LOUNGE)とは、日本の自称美術集団。藤城嘘が代表のグループ展「ポストポッパーズ」を前身とする。

「カオス*ラウンジ」としての出展は2009年3月からであるが、前身の「ポストポッパーズ」としては2008年9月より出展を行っている。

2010年4月に開催された「カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷」より、美術家・美術批評家である黒瀬陽平が「カオス*ラウンジ」に加入し理論補強が行われ、また、東浩紀と村上隆の後押しを得ている[1]。黒瀬によって「カオス*ラウンジ宣言」が「カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷」にて行われた。宣言では、現代アートのあり方について「アートに神秘性などない。人間の知性も感性も内面も、すべては工学的に記述可能である。」などと批評した。

「カオス*ラウンジ」の代表は、当初、藤城嘘が務めていたが、「カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷」を境として、現在では、黒瀬が務めている。

ちなみに、美術家の梅沢和木は、「ポストポッパーズ」時代の初期(ポストポッパーズ IN GEISAI #11)から参加している。

法人化構想 [編集]代表の黒瀬陽平は、「カオス*ラウンジ」をいくつかの事業を柱として活動を行う組織とし、近々法人化するとの構想を、2011年5月12日に明らかにした。
(ウィキペディアより抜粋)」



僕はカオスラウンジの作品をリアルで体験したことがないので、この場を借りてカオスラウンジの作品について言及するつもりはないし、その資格はないことを先に断っておく。

黒瀬陽平氏の出演していたUST配信「アート2.5」にて頻繁に見られた言葉がある。
「盗作」「パクり」
何故カオスラウンジの作品はパクりと言われるのだろうか。
それはピクシブなどネット上の画像を無断で自作に取り入れたことが起因している。
しかし、僕はこれを単なる「パクり」だとは思わない。
その裏には複雑な背景がある。
世間から見れば、無断での画像の借用はパクりになるのだろうが、アートワールドに視点を置けばどうだろうか?
アートワールドにおける「盗作」とは作品の構図、色調、さらにこれが重要なのだが、主題までを借用することである。
カオスラウンジは作品内で他者の作品を絵の具に置き換えている。
デュシャンが、「絵の具は既製品なのだから、世界中の絵画はすべてレディ・メイドだ。」
という主旨の発言を残しているが、カオスラウンジにとってレディ・メイドは他者の作品である。
むろん、絵の具そのものが作品とはなっても芸術には昇華できないように、この時点で「パクら」れた他者の作品の作者性は殺される。
しかし、著作権は生き続けるのでいわばレディ・メイドとしての他者の作品はゾンビと化す。
機能を失っても、やはりそれは商標から見れば「パクり」である。

つまり、カオスラウンジの作品を「盗作」とするか否かは視点の置き方で変化してしまうのだ。
世間から見れば悪だが、アートワールドから見れば他者の作品を引用し、美術運動を推進させようとする善であり、正義なのだ。

「パクり」が悪とされる一要因は創造性が見られないからであり、美術作品としての役割を完遂できないという悲劇的状況にある。
しかし、「パクり」の総体が見事に美術作品としての機能を果たした場合、それは「パクり」だろうか?
皮肉なことに、カオスラウンジの作品は見事に美術作品としての機能を完遂しており、コンテキストの構築にも成功している。「パクっ」ていながら、完成作にはオリジナリティ、作者性、コンテキストの構築など美術が美術であるための諸条件を満たしているのだ。
故に我々はカオスラウンジの作品を単なる「パクり」であり、そのため創作性に欠けると言って断罪することは絶対に出来ない。

カオスラウンジは現代、負の意味でその動向が注目されている。

今後彼らの作品の評価を高めるか失墜させるかはキュレーション、展示内容、そしてその発言も重要なファクターとなることだろう。

一度失った信用を回復するのは難しいが、今後彼らの言動がどのように世間を、そしてアートワールドに影響を及ぼすのかは注目に値する。
僕は個人的に期待している。

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No title

商標については「パクリ」じゃなくて「犯罪」ですよ
言葉を濁さないでください

No title

「ルールなんて糞食らえ」と宣言したのなら戦え

現状は逃げ回っているだけ
喧嘩売ったのはカスラジ側のくせに今は被害者ぶっている

こんなかっこ悪い集団初めて見るわ
ウォーホルも草葉の陰で泣いておる

絵の具は既製品ですが

今回の問題は「盗んだ絵の具を使ったこと」のように思えるのですが、どうでしょうか

No title

僕の文章を真面目に読んでくださってのコメントありがとうございます。
僕も盗んで来た(あるいは引用された)絵の具だと思います。
問題なのは、「絵の具」の作者性が作品内で無効化されることです。
このへんは商標の問題とはいったん切り離して考えなければならないのですが。
(切り離すということは無視をする、ということではありません。あくまで別次元の問題としてとらえる、ということです。商標から見れば彼らは完全に悪です。僕は記事中ではニュートラルな立場をとったつもりですが、カオスラウンジを擁護する側の人間です。しかし、それは自覚しています。)
「絵の具」の機能が無効化されたとしても著作権は生き続けますが、無効化されたときに果たして「絵の具」は元の「絵の具」のままなのだろうか?別物ではないだろうか?という命題が展開されると思います。
「絵の具」が元の「絵の具」とは別物としての機能を完遂すれば、それは盗んで来た絵の具ではありません。
何故なら元の絵の具とは機能が異なるからです。
あくまで盗んで来た絵の具と同じに見えるのは表層レベルの認識において、です。

というのが僕の、まあ少し哲学的な話になるんですけど、思ったこと、というか一つの意見です。

失礼しました。

絵の具というよりは

モナ・リザを切り取って別の背景に貼りつけて「これは僕の作品!」と宣っているようにしか見えませんが…
以前美術館で、いろは坂に落ちていたゴミを加工して貼りつけてモナ・リザのように仕立てたものを見たことがあります
これくらいの気概があるならオマージュだとも思えますがキメこなに関してはアレコレ弁解してはいるもののただのコピペですよね
最も、商標の問題は討論の余地なく完全にアウトですが


まぁ、まだ右も左も分からない年齢の方に玄米茶さんのような討論は無理ですしね
どうかこれからの動向によって自分の意見を変えたりしないように、切に願っていますよ

No title

幸華宝石さんにも教えてあげてくださいね。
http://apr.2chan.net/may/b/src/1308564486096.jpg

返信ありがとうございました

さて、「認識の問題」とのお考えですが、コラージュアート、モザイクアートのように素材の意味性が変化している作品に対して、梅ラボ氏の作品においてはネット上の画像がそのまま、キャラクター性を保持したまま使用されている点が特徴であり問題だと思われます。
それはつまり借りものの(あえて盗品とは呼びますまい)他者の力を自作の力として利用しているということです。
意味性を持たない素材を用いたとき、果たして梅ラボ氏の作品に独自の芸術的魅力が存在するか、と逆にお考えになってみてください。
あるいはそうした手法そのものに価値がある、と反論されるかもしれません。
しかし梅ラボ氏の発言が二転三転し、一本スジの通った理論が語られていない現状では、アートとして確立されたものとは言えないのではないでしょうか?
この件に対する村上隆氏のツイッター上での怒りの表明も、その部分を点いたものではないかと。
以上、あくまでも私見ではありますが、考察の一助となれば幸いです。
失礼いたしました。

No title

キメこなを騒動以前から接して居た人間にとってはぱくられたとしか見えないわけで
アートワールドとやらの視点で語るのは結構なんだが、そのアートワールドに属さない人間、
もともとの彼女が生息していたコミュニティの人間にとっては、あれは生気の抜けた剥製にしか見えないわけで

その辺の断絶を埋めるだけの説得力(言葉にしても絵にしても)が当事者達には無いのがなんとも悲しい

No title

アートワールドって言うのがこの世のどこにあるのか良く存仕上げませんが
勝手に他人の作家性を殺して自分の物にしても許されるとしたら大した無法地帯のようですね

そんな物騒な世界には金輪際関わりたくないし
少なくとも私の愛する作品は決してアートワールドとやらに連れ去って頂きたくはありません

No title

人の作った作品を絵の具とし道具扱い
元の作品を切り刻んで切り貼りし、元の作品に対する敬意も無い

イベントでは他の作品を盗むどころか踏み潰す展示まで開催
貴方の中ではアートと名がつけば何でも許されるのでしょうか?

商標権も偽札も貴方の中では「アートだから無罪」なんでしょうか?

No title

2chでは叩かれてるようですが、ふたばでは叩かれてはいませんよ…笑いものにはなっていますがね
今日は体調が優れているみたいなので、是非一度おこしになられてはいかがでしょうか

http://may.2chan.net/b/res/58927744.htm

それにしても叩かれるのは叩かれるなりの理由があるというのに…お涙頂戴は理論ではありませんよ
高校生は高校生なりに色々考えてたのではなかったのですか?

No title

みなさんコメント恐縮です。
ありがとうございます。
いろんな意見があって勉強になります。

僕の記事を読んでいただければわかると思うのですが、僕は彼らを「無罪」だとは言っていないはずです。
商標から見れば「悪」、アートの世界から見れば「正義」と言っていて、このねじれが事態を複雑化させている、と言っただけです。
僕は彼らが許されるとは思っていませんし、黒瀬陽平氏はしかるべき責任をとるべきだと思います。
「世間から見れば悪」だと、僕は断言しています。

ただその一方で僕はカオスラウンジの作品の美術性を高く評価しています。
好きなのです。
好きか嫌いかというのは個人の自由だと思います。
彼らが今回の騒動で活動できなくなるのはもったいないと思うのです。

僕はこの記事中ではあくまで「好きか嫌いか」という浅はかな命題は取り去り、ニュートラルな立場から意見を述べたつもりです。
僕のツイッターのURLとピクシブのアカウントが2ちゃんねる上に晒されたようです。

ここで一度明確な立場表明をしておきたいと思います。
僕はネット上では中立です。

それからみなさんわかっているとは思いますが、僕はカオスラウンジが好きな1個人であり、カオスラウンジとは接点を持っていません。
なので、僕に私怨を訴えないでください。
困ってしまいます。

では失礼いたしました。
プロフィール

荒川達哉

Author:荒川達哉
追いやられ追いやられて世界のはしっこまで来てしまった高校生。なにやら難しいことを考えているようで、その頭の中にはぽやぽやとした雲がかかるばかり。脳みそは煙を噴出した。好物は嘘。夢は英国紳士。ミミズと絶望を何よりも恐れ、美術とロックンロールをこよなく愛す。自傷癖あり。統合失調症。
世界の何よりもアートが大好き。

pixiv→ http://www.pixiv.net/member.php?id=3241040
artbreak→http://p.tl/vxEE
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