和田京平レフェリーが全日本プロレスを離れることになった理由を告白!「出来れば全日本のリングで引退したかった」
21日、都内のホテルでレフェリーの和田京平氏が記者会見を行い、6・19両国国技館大会を持って長年レフェリーとして活躍してきた全日本プロレスを離れることになった経緯を明かした。
まず最初に京平氏は「両国の試合の前に本当は発表したかったんです。去るときも礼をしてリングを降りたんですけど、本当にあの場にいたファンの方に申し訳なく思います」と言って、京平さんにとって"最後の全日本のリング"ということを知らずに両国大会を観戦していたファンに対して頭を下げた。
すでに2009年4月には全日本プロレスの役員から外され、翌2010年4月からは全日本所属ではなく、フリーとして全日本マットに上がっていたという京平氏は「(故ジャイアント)馬場社長が作った全日本プロレスを守っていきたかったし、武藤(敬司)さんを支えていきたかったが、それも出来なくなりました。皆さんは僕から辞めたと思うかもしれないけど、僕は40年近く全日本プロレスにいて、出来れば全日本のリングで引退したかった」と無念そうに語った。
そして全日本を離れることになった経緯について「今回ブードゥー・マーダーズの一件(=5・19神戸大会でのTARUによるスーパー・ヘイトへの暴行)があったんですけど、僕は僕なりに(東京スポーツの取材に対して)自分の名前を出してインタビューに応じたんですけど、本人からすればそれが裏切りだったみたいですね。前シリーズの(6・6)出雲大会が終わって食事をしているときに、突然武藤さんから電話がかかってきて、『京平さん、分かっているよね? 今回のこと』って言われて、『アレは(武藤)社長が謝れば終わるよ』って言ったんですけど、それが裏切りだと思ったようで、『そういう問題じゃねぇよ! 俺、明日社長を辞任するから、京平さんも(6・19)両国で終わりにしてくれ』って(言われて)、そのとき『分かりました』とだけ。それが全日本を去ることになったやり取りですね」と説明。
すでに4月のシリーズで初めてレフェリーとして巡業に出なかった時点で、「俺の役目は終わったのって(思った)。もう和田京平は必要とされなかったんじゃないかなって」という京平氏だが、「その後、神戸でブードゥーの事件があったんだけど、そのときに会社から『ちょっと来てくれ』って呼び出されたんです。で、巡業に周らないとまたおかしなことになるんじゃないかと思って、とりあえず行ったんですよ。そこでの東スポさんの取材で『名前を出さないのは嫌いだから、名前を出すならインタビューに答える』って言ったんだけど、それが武藤さんからしたら『それはないだろ』ってことだったんでしょうね。それが理由......それをうまいこと利用されたのか、まぁそういうことなんでしょうね」と語った。
突然「両国で終わりにしてくれ」と言われたわけだが、京平氏は「あぁ、こういう会社なのかなぁって。寂しいものはありましたね。これからは馬場さんがいままで僕に教えてくれた『プロレスっていうのはこうなんだぞ。お前のレフェリーはこうだぞ』っていうものを(伝えていきたい)。僕、和田京平を必要としてくれる団体に上がりたいんです! 『もうお前はいらないよ』って言われたところではなく、『京平さん来て下さい!』って言われたらどんな小さい団体でも学生プロレスでも、リングのあるところならば上がりたいと思います!」と前向きに語った。レフェリー業のほかにも、トークショーなどのイベントも積極的に行っていくという。
正式にフリーのレフェリーとして上がる最初のリングは、全日本マットで散々やり合った鈴木みのるのチャリティー興行『カウント2.9』(6月25日、新宿FACE)になるという。さらに翌26日には愛弟子であるDDTの松井幸則レフェリーが行っている、大阪の『びっくりプロレス』のリングにも上がることが決まっているとのことだが、京平氏は「今日からフリーになった和田京平の始まりなので、声をかけてくれたらありがたいと思います」と晴れやかな表情で語った。
だが、最後の6・19両国大会を終えたあと、武藤からも内田雅之社長からも何も声をかけられなかったという京平氏は「俺のほうから声かけたのかなぁ。僕は平常心だから......僕が悪いことしているわけじゃないし、喧嘩したくもないから、いつものように『お疲れ様』って自分のほうから言ったね。武藤さんは目を合わせませんね。挨拶してもスッと行っちゃう。正直言わせてもらえば『そうなの?』って感じですよね。まぁこんなものかと、逆にスッキリです」と心中を吐露。
もし今後、全日本からフリーのレフェリーとしてオファーがあった場合はどうするか聞かれた京平氏は「武藤さんが......いまは内田社長ですか。内田さんが『出てくれない?』って言ったら出ると思います。これで来シーズン出たら凄いですよね。あぁプロレスだなぁって(苦笑)」と冗談半分で答えた。
「会社の経営が思わしくないってことだったので、会社のためなら『(フリー契約でも)いいですよ』って言ったんですけど、その時点で全日本プロレスを辞めさせられたと思うんだけど、僕はそう思わなかった。渕(正信)選手も僕と同じ契約ですけど、僕はシリーズ全部出てましたけど、渕選手は後楽園大会とは必要なところだけ(のスポット参戦)ですよね」と、盟友・渕と共に"馬場全日本を知る男"として苦しい状況の中、武藤全日本を支えてきた京平氏だが、今後の全日本に対しては「やっぱりねぇ......いまのレスラー、みんな僕がデビュー戦裁いたわけだから頑張ってほしいよね。でも全日本プロレスに和田京平がいなかったらどうなんだろうなぁ。僕が去るということは馬場社長も去っちゃうのかなって、それが一番寂しいですよね。格好付けるわけじゃないけど、全日本プロレスには馬場社長がいて、和田京平がいて、和田京平がいる限り全日本プロレスには馬場社長がいるっていうイメージが強かったからね。だからこういう形で去るのは寂しいですね」と、やはり創始者である馬場さんのイメージが消えることを寂しがった。
元全日本の社長でもある馬場元子さんには、武藤から「両国で終わりにしてくれ」という電話があった翌日の6月7日に報告したという。その時点でかなり複雑な心中だったという京平氏は、元子さんに「僕、このまま帰りたい」と吐露したのだが、元子さんから「京平、あんたのファンがいるんだよ。ここで帰ったら、このシリーズに来てくれる人がガッカリするんだから、最後まで務めない」と言われたことで、最終戦の両国大会まで平常心でやることが出来たという。そして東京に戻ってきてから、すぐに馬場さんの仏前に報告したとのこと。
和田京平氏といえば、いまや日本プロレス界を代表するレフェリーだが、「ジョー(樋口)さんは僕の師匠で、レフェリングは教わったことないけど、リングの中でのマナーを教われました。リングの上で裁いているときはTVカメラの邪魔をするな、カメラマンの邪魔をするな、これだけですよね。これを新しくレフェリーになる人にも教えてますけどね。あと馬場さんからは『プロレスをスポーツにしたいけど、スポーツにはならん。なぜならレフェリーに権限がなさ過ぎる。お前だけでも権限のあるアンパイヤになれよ』って。馬場さんって野球出身だから審判は絶対なんですよね。馬場さんには『お前にはそれくらいのものがあるよ。お前は世界一だよ』って褒められたことがあったんで、いままでやってこられたかな。これからもやっていくんですんでしょうけど、リングに上がったら『俺が一番偉い』というのは忘れたくないですね」と、確固たるレフェリー論を語った。
全日本から何の発表もされなかったため、自らこういう会見の場をセッティングしてファンのためにも状況をすべて説明した京平氏は、「全日本を離れるけど、レフェリーとしてまだまだやっていける自信があるので、フリーという形と取らせてもらった。両国のときに僕の最後の全日本っていうのを見られなかったファンに本当に申し訳なく思うんですよ。僕が事前にそれを言えば、両国にもっとお客さんが来たと思うんだけど、そういうふうにしたくもなかったしね。だから武道館(=8・27『ALL TOGETHER』)は思い入れがあるのでやりたいですねぇ。交渉します!(笑)」と最後まで前向きに、明るく語った。
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