岩手のニュース
被災者手製の刺し子が人気 ネット販売へ着々 大槌
 | 支援への感謝の気持ちを込めて、かもめふきんを縫う佐々木さん=大槌町中央公民館 |
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東日本大震災で被災した岩手県大槌町の女性たちが作った刺し子のコースターなどを、インターネットで販売する取り組みが進んでいる。NPO関係者が企画し、収益の一部は製作した人に支払う。13日に発売した試作品40枚はすぐに完売し、順調な滑り出しを見せている。 「大槌復興刺し子プロジェクト」と銘打った計画は6月初めに始まった。同町に支援物資を届けていた京都市の国際協力NPO法人「テラ・ルネッサンス」メンバーの吉野和也さん(31)らが中心となり取り組む。 製品を作るのは町内の避難所で暮らす30〜70代の女性20人。町の鳥カモメをモチーフとした「かもめふきん」「かもめコースター」の2種類を一針一針縫っている。 大きさ34センチ角の布巾は1枚1200円、11センチ角のコースターは700円でホームページで販売。売り上げから材料費などを差し引き、製作者にはふきん1枚当たり500円、コースターは300円を支払う。 町中央公民館に避難する佐々木ミエ子さん(76)は1日4時間ほど作業し、これまでに約20枚を作った。「以前はすることがなく、日中でも横になっていることが多かったけれど、刺し子は一度始めると夢中になる。もらったお金で孫にジュースを買ってあげられるようにもなった」と喜ぶ。 試作品が完売した後も、16日までに40枚の予約注文があった。吉野さんは「労働への対価は被災した方々の明日への活力につながるとの反響もあり、手応えを感じている。女性たちが仮設住宅に移った後もぜひ続けたい」と話している。
2011年06月21日火曜日
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