池田信夫 プロフィール
経済学者。上武大学経営情報学部教授、SBI大学院大学客員教授。著書に、「使える経済書100冊 (『資本論』から『ブラック・スワン』まで) (生活人新書)」など多数。
・アゴラ|アゴラブックス - 公式サイト
・イノベーションの法則 - livedoor ネットマガジン
・使える経済書100冊特集ページ
ちまたの旬な話題から、日本の未来像を問うテーマまで。
重要なことは意欲と能力のある野心的な新規事業者が新規参入できる環境にあるかどうか。新規参入が阻まれる分野ほど非効率な世界はない。新規参入できる環境を作ること。その上で固定価格買い取り制度や、新エネルギーへの挑戦をやればいい。前半はその通りだが、「その上で固定価格買い取り制度」という意味がわからない。今国会に出ている再生可能エネルギー促進法案(新エネ法案)は、現在の地域独占と発送電一体を前提として、再生可能エネルギー全量の固定価格買い取り(FIT)を義務づけ、その高い発電単価を電力会社が電気料金に転嫁するものだ。
FITは地域独占が前提。発送電を分離したら、誰が固定価格で買い取るのか。電力自由化をいわない孫さんのほうが賢い。 RT @t_ishin: 新規参入できる環境を作ること。その上で固定価格買い取り制度や、新エネルギーへの挑戦をやればいい。と批判したところ、橋下氏がすぐにこう答えた:
地域独占と固定価格買い取り制度は、行政的に制度を作りやすいということだけで論理必然ではありません。新規参入自由化と固定価格買い取り制度は論理的に両立し、あとはその制度設計だけです。買い取り義務者の費用負担の平準化スキームをどう作るか。行政の腕の見せ所。ドイツは何とかやっています。一般論としていえば、電力を自由化してもFITを実施することは不可能ではないが、今回の法案は現在の電気事業法を前提とするものだ。それは「賠償支援機構法案」とともに地域独占を永続させ、電力自由化の障壁を増やす。なぜ電力自由化を主張する橋下氏が、それと矛盾する新エネ法案の導入を急げと主張するのか。それとも「あとはその制度設計だけ」という彼は、法案が国会に出ていることを知らないのだろうか。