ホーム
同胞生活
〈取材ノート〉 元山行きの船
大学2年のときに生物科目の実習で行って以来、ちょうど20年ぶりに佐渡島に訪れた。新潟朝鮮初中級学校と福島朝鮮初中級学校が初めて行った合同課外授業(5月27日)の取材のためだった。
新潟港から佐渡島への交通手段は、最高時速80キロも出るジェットフォイルという旅客船だった。
20年前はこのような高速旅客船はなく、フェリーを利用した。
今でも印象に深く残っているのは、佐渡島実習を終えて新潟港に戻る際、乗っていたフェリーと「万景峰92」号がほぼ同時に入港したことだ。みんな、2年後にはその船に乗って祖国に行けると夢を膨らませた。
もちろん今回、新潟港で「万景峰92」号と遭遇することはなかった。
新潟初中の生徒たちの大半は、同胞と祖国をつなぐこの船を実際に見たことがないという。「万景峰92」号は、日本政府の「制裁」によって2006年から運航されていない。
祖国を自由に往来するという基本的な権利さえ保障されていない異常な状態が、約5年も続いているのだ。
つい先日、東京在住の同胞女性から電話をもらった。本社平壌支局を通じて祖国にいる子どもの安否を確認できないかというものだった。
「万景峰92」号の入港禁止は経済負担が増すだけでなく、第3国を経由しなければならないので、とりわけ高齢者の祖国往来を阻んでいる。それを思うと、在日同胞の人道問題まで政治利用している日本当局に怒りがこみ上げてくる。(姜)
( 朝鮮新報 2011-06-20 11:39:39 )