【英ロンドン19日】22日に日本デビューする韓国の人気男性5人組グループ「SHINee」(シャイニー)が、“ビートルズの聖地”として知られる「アビー・ロード・スタジオ」で、アジア圏のアーティストとして初のライブを開催した。スタジオの外では地元ファン1000人以上が集まる熱狂ぶり。ジョンヒョン(21)が体調不良により1曲しか参加できなかったが、アクシデントも何の、夢の世界進出への第一歩を踏み出した。
SHINeeが日本デビューを前に、約1000人の“ロンドンっ子”に熱狂的に迎えられた。
ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」(1969年発表)のジャケットに使用され、メンバーが横断歩道を渡る写真で有名な道路には、スタジオに入れなかった10~20代の女性ファンが両サイドを埋め尽くし、約10時間「ウィー・ラブ・シャイニー!!」と絶叫した。
アビー・ロード・スタジオは1960年代、ビートルズが約9割の楽曲を録音した場所。アジア圏のアーティストでライブを行うのはSHINeeが初めてで、抽選で選ばれた50人しか入れない会場には英国、日本、シンガポール、フランスなど各国から観客が集まった。会場の外に集まったファンに対応するため、最大級の警備態勢を敷き、職員は「ビートルズ以来の熱狂だ」とK―POPのパワーに驚いた。
突然のアクシデントにも負けなかった。ライブ当日の朝、ジョンヒョンが40度の高熱でダウン。冒頭、4人だけで登場し、不慣れなパフォーマンスながら日本語詞のデビュー曲「Replay―君は僕のeverything―」などを熱唱。最後にジョンヒョンが加わると、ポール・マッカートニーらとも共演した弦楽カルテット「ロンドン・メトロポリタン・オーケストラ」をバックに、高い歌唱力を披露するなど、全6曲を歌いきった。
SHINeeはビートルズと同じレコード会社・EMIと全世界における活動においての契約を締結。アジア圏では過去、宇多田ヒカルだけが結んでおり。新人では異例のVIP契約。世界進出への足掛かりとして選んだのが「アビー・ロード・スタジオ」での公演。同社のデビッド・キャスラーCEOは「歌もダンスもうまい。最近の欧米にはいない」と、世界デビューに向けて太鼓判を押した。
今月10、11日にパリで行われた「SMタウンライブ」に続き、欧州の2大都市を制覇。「このスタジオに、自分たちの写真が飾られるよう頑張りたい」とリーダーのオンユ。日本から世界へ―。ビートルズに肩を並べるような活躍を誓った。
◆SHINee オンユ(21)、ジョンヒョン、キー(19)、ミンホ(19)、テミン(17)の5人組。グループ名は造語で「光り輝く人」の意味。2008年5月、BoA、東方神起、少女時代を輩出した事務所「SMエンタテインメント」から韓国デビュー。代表曲「Ring Ding Dong」と「LUCIFER」のYOU TUBE総再生回数は4000万回以上。
◆アビー・ロード・スタジオでのライブ 過去にスティービー・ワンダー、ロッド・スチュワート、ブライアン・アダムスらがライブを開催。ポール・サイモンら世界的アーティストが出演する音楽番組「ライブ・フロム・アビー・ロード」の収録も。ビートルズは69年、アルバム「アビイ・ロード」の発表前、旧アップル本社で屋上ゲリラライブを行った。
◆アビー・ロード・スタジオ 英国のレコード会社EMIによって1931年に開設。当初は「EMIレコーディング・スタジオ」と称していた。ビートルズやピンク・フロイドなどがレコーディングを行ったことで有名だが、特にビートルズは1969年、スタジオ前の通りの名前にちなんだアルバム「アビイ・ロード」=写真上=を発表。メンバーが横断歩道を渡るジャケット写真で人気を博した。昨年2月、EMIはスタジオの売却を検討していると報じられたが、反響が大きく、「計画を見直した」とも伝えられた。スタジオと横断歩道は英国の歴史遺産。
[2011/6/21-06:00 スポーツ報知]