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　「交流戦、巨人１０‐１西武」（１９日、東京ド）

　満員の大歓声が、最高に気持ち良かった。７回５安打無失点で３勝目。５度目の挑戦でつかんだ、本拠地初勝利だった。あこがれのお立ち台。巨人ドラフト１位・沢村（中大）は「ものすごく幸せです」と感慨に浸った。

　好きな言葉は「リベンジ」。一回、中島に中前打を打たれ、闘志に火がついた。三回、中島の第２打席。直球で追い込み、フォークで空振り三振。五回、１死一塁で迎えた第３打席は、変化球で追い込み、直球で二併殺。キーマンとなる強打者を手玉に取り、西武打線を寸断した。

　表舞台では強気を装うが、中身は繊細な一面を持つ。５月３１日の西武戦（西武ドーム）で、４０日ぶりに２勝目を挙げた。だが、翌週６月６日の日本ハム戦（東京ドーム）では、５回２失点で４敗目。勝ち運に恵まれず、白星が増えない焦り。不安が襲い「次はいつ勝てるのかな」と、母・和子さんに漏らした。

　数日後、ひとつのお守りが届いた。沢村が中学時代にランニングコースに使用していた栃木県・太平山神社で、和子さんが購入したものだった。お守り効果は絶大。この日は、打線が今季初の２ケタ得点となる１０点と爆発。神様が、ようやくご褒美をくれた。

　記念のウイニングボールは、最後を締めたアルバラデホが客席に投げてしまった。沢村は「ファンが喜んでくれればいい」と笑った。防御率２・１２は、立派な成績。壁を乗り越えた右腕なら、この先いくつもの記念球を手に入れるはずだ。