和歌山

文字サイズ変更

岩出の火災:幼い2人、悼む声 「かわいそうの一言……」 /和歌山

 岩出市山崎の住宅街で18日夜、無職、橋本千恵さん(31)方住宅が全焼し、焼け跡から、橋本さんと同居していた息子の龍斗君(6)と娘の千弘ちゃん(2)が焼死体で見つかった。橋本さんが2人を寝かしつけ、外出していた間に起きた突然の悲劇だった。住民からは「かわいそうの一言しかいえない。親にもっと甘えたかっただろうに」などと2人を悼む声が上がった。【岡村崇、竹田迅岐】

 現場はJR和歌山線船戸駅から東約400メートルの住宅街。一夜明けた橋本さん宅には、玄関先に花束や菓子が供えられていた。

 岩出署は19日朝から、橋本さんも立ち会いの下、実況見分に臨んだ。当初台所付近とみられた出火元は、詳しい調べで2人が寝かしつけられていた1階和室のこたつ付近と判明した。出火後、龍斗君は2階から、千弘ちゃんは1階からそれぞれ遺体で見つかったが、龍斗君は出火後に2階に逃げた可能性があることが分かったという。

 橋本さんは午後8時ごろ、海南市の友人を訪ねるため、2人の近親者と一緒に出掛けていた。約2時間後に帰宅して初めて出火を知ったという。

 毎日新聞の取材に応じた橋本さんは「外出するときには泣いてついてこようとする子どもたちだった。とてもショック。子どもたちには火の気があるところには近づかないようにと何度も注意していたのに…」などと悲しんだ。

 19日昼に火災現場を訪れた女性は「以前は(橋本さん宅を訪れて)子ども2人と遊んだり、子守を任された」と唇をかんだ。

 近くに住む女性は「人なつっこくてかわいい子供たちだった。本当にいい子たち。子どもに罪はないのに…」とがっかりした様子だった。

毎日新聞 2011年6月20日 地方版

 
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画