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福島第1原発:汚染水浄化、運転停止原因は線量の計測ミス

汚染水処理施設のセシウム吸着装置=東京電力提供
汚染水処理施設のセシウム吸着装置=東京電力提供

 東京電力は20日、福島第1原発の放射性汚染水浄化システムが本格運転から5時間で停止した問題について、原因は放射性物質の濃度が想定以上に高い汚染水が流れ込み、装置表面の放射線量が誤って計測されたためと断定した。同日の統合対策室の記者会見で明らかにした。東電は、セシウム吸着材の配置や汚染水の流量などを調整したうえで一両日中の本格運転を目指す。

 トラブルは、浄化システムのうち米キュリオン社のセシウム吸着装置で起こった。17日に高濃度汚染水を通したところ、わずか5時間で装置表面の放射線量が、内部部品交換の目安となっている毎時4ミリシーベルトを超えた。想定では月1回の交換とされていた。

 東電によると、目安を超えたのは計測の際に高濃度汚染水の線量の影響を受けたためで、セシウム吸着用の鉱物「ゼオライト」の吸着量に問題はなかったという。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は記者会見で「性能的には問題はない。1週間~10日後には汚染水量が逼迫(ひっぱく)するが、それまでには本格運転を実現する」と述べた。【中西拓司】

毎日新聞 2011年6月20日 22時11分(最終更新 6月20日 23時16分)

 

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