2011年6月20日20時21分
核実験への制裁措置で北朝鮮への輸出が禁じられている中古乗用車を不正に輸出したとして、警視庁は20日、東京都文京区本駒込5丁目、朝鮮籍の貿易会社社長、安田成基容疑者(71)を外為法違反(無承認輸出)の疑いで逮捕し、発表した。調べに対して「間違いない」と容疑を認めているという。
公安部によると、安田容疑者は2008年9月と同12月、経済産業相の承認を得ずにメルセデス・ベンツの中古車3台(計723万円相当)を神戸港から北朝鮮に向けて輸出した疑いがある。韓国の捜査当局の調べで、3台は韓国の仁川港と釜山港を経由し、北朝鮮の南浦港に運ばれたことが確認されたという。
公安部は、不正輸出は「朝鮮サンミョン」と呼ばれる朝鮮労働党の関連機関が、安田容疑者が実質的に業務を統括する別の貿易会社に発注したとみている。公安部によると、安田容疑者は同党直轄の「羅先大興貿易会社」の海外代表社長も務めているという。
政府は核実験への制裁措置として06年11月から、乗用車や貴金属など「ぜいたく品」の輸出を禁止。09年6月からは日用品なども含め全面禁輸にしている。