支援米、職員に配給=伊勢神宮の2トン送れず―神社本庁、「保管」と反論
時事通信 6月20日(月)2時32分配信
東日本大震災の被災地を支援するため、伊勢神宮(三重県伊勢市)が宗教法人「神社本庁」(東京都渋谷区)に送った御料米の一部が、福島県に届かず本庁職員らに配られていたことが19日、神社関係者への取材で分かった。
取材に対し、神社本庁総務部は「庁内で保管しており事実無根」と反論しているが、関係者は「配給された米を受け取らなかった職員もいた」などと証言した。
伊勢神宮などによると、同神宮は3月、敷地内で収穫した御料米5トンを神社本庁に送り、被災地に配るよう頼んだ。本庁は宮城、岩手、福島3県にある下部組織の神社庁に連絡し、宮城に2トン、岩手に1トンを送った。
関係者によると、福島県神社庁は、原発事故で住民が避難しているため配れないことなどを理由に、「送付をしばらく待ってほしい」と回答。このため、神社本庁は庁内で2トン分を保管していた。
しかし5月半ばになって、本庁は「配給」を決定。保管した米を運び出し、「神宮司庁」と書かれたラベルを剥がして約5キロ入りの袋に小分けした後、10〜30キロずつ配った。職員らの中には持ち帰った人もいたが、受け取りを拒否したり、福島などに送り直したりした職員もいたという。
御料米は新嘗祭などで神に供えられる。配給する際、具体的な説明はなかったが、関係者は「職員らも大体(支援米であることは)分かっていた。『神職にある人間の組織なのにおかしい』と疑問の声も上がっている」と話した。
神社本庁は、戦後の神道解体に対抗するため、全国の神社が1946年に設立した自主組織。現在、全国約8万の神社を傘下に置いている。職員は約80人で、全員が神主の資格を持つ。
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御料米は新嘗祭などで神に供えられる。配給する際、具体的な説明はなかったが、関係者は「職員らも大体(支援米であることは)分かっていた。『神職にある人間の組織なのにおかしい』と疑問の声も上がっている」と話した。
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最終更新:6月20日(月)9時7分
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