東日本大震災の被災者を支援しようと、三重県伊勢市の伊勢神宮が神社本庁(東京都渋谷区)に送った米5トンのうち2トンが、福島県などに送られず、神社本庁の職員らが自宅に持ち帰っていたことが20日、分かった。
神社本庁によると、支援のための米は、被災地の神社庁の要請に応じ、神社に避難中の氏子らに向けて送られている。
各県の神社庁を通じ、5トンのうち宮城に2トン、岩手に1トンを送った。残る2トンは福島県などに送る考えだったが、福島県神社庁からは、被災者が何度も移転していることなどを理由に「送るのをしばらく待ってほしい」と返答があった。
神社本庁は5月半ばに「米が腐る可能性がある」と判断し、10キロから30キロに小分けして職員らに持ち帰らせた。福島には米の代わりとなる義援金を送ることにし、職員ら個人や、職員の互助会から義援金数百万円を既に集めた。今後送る予定という。
神社本庁は「伊勢神宮からの米を職員らに配ったのは事実。やむを得ない処置で、判断は適切だった」としている。
毎日新聞 2011年6月20日 11時53分(最終更新 6月20日 12時38分)