宮古市の宮古港に26日朝、東日本大震災後、初めての定置網漁による水揚げがあった。ブリなどに交じってクロマグロ11本も揚がり、津波で壊滅的な被害を受けた浜が活気づいた。
岩泉町の小本浜漁協は25日、津波の被害を免れた漁船2隻で須久洞漁場で定置網漁を再開した。宮古魚市場に水揚げされたクロマグロは最大112キロの大きさ。
仲買人たちは、切り取った尾の身をのぞき、脂の乗り具合を確かめていた。
1キロあたり3340~1700円の、まずまずの値段で買い取られた。首都圏などに出荷されるという。
同漁協理事で今回の漁の総監督を務めた三浦文一さん(69)は「まだ漁をできずにいる他の漁協の励みになればうれしい」と話し、笑顔を見せた。同魚市場は震災から1カ月後の4月11日から営業を再開している。【鬼山親芳】
毎日新聞 2011年5月27日 地方版