県は15日、一関市など2市町の牧草から乳牛などに与える際の国の暫定許容値(1キログラムあたり300ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、周辺の10市町で牧草を調べた結果、大槌町など4市町で許容値を超えるセシウムが検出されたと発表した。
県畜産課によると、許容値を超えたセシウムの値は、大槌町624ベクレル▽平泉町587ベクレル▽陸前高田市406ベクレル▽遠野市327ベクレル。県は4市町の畜産家に牧草の利用、放牧の自粛を要請。今後、4市町を地域別に分け細かく調べる。
詳細に調べていた一関市と藤沢町では、藤沢町北部909ベクレル▽一関市室根町655ベクレル▽同千厩町612ベクレル▽同花泉町584ベクレル▽同東部488ベクレル--の順で許容値を超えた。許容値未満だった一関市大東、川崎両町、藤沢町東部は牧草利用などの自粛要請を解除された。
また、大船渡市など5市町の乳業施設で調べていた原乳は、一関市で唯一、食品衛生法上の暫定規制値(1キログラムあたり200ベクレル)を下回る24ベクレルの微量のセシウムが検出された。乳用牛に今年産の牧草は与えておらず、「原因は不明」(同課)という。
放射性ヨウ素は、12市町の牧草と原乳で、いずれも検出されていない。【狩野智彦】
毎日新聞 2011年6月16日 地方版