韓国企業、中国メディアのあら探しに対応苦慮

 中国に進出する韓国の大企業が中国メディアによる行き過ぎた批判に苦しんでいる。進出企業は、意図的なあら探しで市場シェアが高い韓国企業をけん制する動きとみている。

 中国タイヤ市場大手の錦湖タイヤは、今年3月15日に中国中央テレビ(CCTV)が「規定よりも再生ゴムの使用比率が高く、安全を脅かす可能性がある」と報じ、中国市場での販売が大きな打撃を受けた。

 報道は、品質維持のために天然ゴムと再生ゴムを3対1で混ぜなければならないところ、規定に違反し、2対1または1対1で両者を混ぜ、タイヤを生産したという内容だった。

 業界では、再生ゴムが使用されるのは主にタイヤの側面であり、品質が低下するとしても、安全には特に問題がないとみている。錦湖は工場の関係者3人を解雇し、中国法人のイ・ハンソプ代表が直接テレビに出演し消費者に謝罪したが、3カ月が経過した現在でも中国メディアは「安全ではないタイヤ」というレッテルを張った報道を続けている。

 同業の韓国タイヤも今月半ば、中国の品質検査機関、国家質量監督検験検疫総局(質検総局)から中・大型バス用のタイヤの安全問題を指摘され、一部製品のリコールを実施した。

 業界では、中国のメディアや当局による品質問題の指摘について、中国市場での韓国系タイヤメーカーの成長をけん制し、自国ブランドを育成するためではないかと受け止められている。中国のある週刊誌は最近「国際的な品質検査で、韓国系のタイヤは世界的にも有名なブランドだけでなく、中国系のタイヤメーカーに比べ品質が劣ることが分かった」と報じた。

 中国の高級即席めん市場に定着した農心は、香港のケーブルテレビ「アイケーブル」による報道で被害を受けた。アイケーブルは今月8日、独自調査の結果、農心が中国・上海工場で生産した「辛ラーメン」のスープから工業用の化学物質(可塑剤)が多量に検出されたと報じたが、中国・香港当局による検査では全く検出されなかった。

 それにもかかわらず、中国メディアはアイケーブルの報道を引用し、農心製品の安全性に問題があるとする報道を続けている。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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