ここから本文エリア 学食、障害者働くカフェに 法政大2011年06月15日
法政大学多摩キャンパス(町田市相原町)の学生食堂がリニューアルし、学生と教員、障害者支援に取り組む地域のNPO法人などが協力して運営する「カフェ」になった。学外の市民も利用でき、大学と地域をつなぐ役割が期待されている。 森に囲まれた法政大の学生用施設「エッグドーム」の円屋根の建物2階に「Slow World cafe」が入る。1月まで「食堂」だった場所。調理室と飲食スペースは壁で仕切られていたが、カウンターを新設し、従業員と利用者が顔を合わせやすくした。 スタッフには障害者も加わる。軽度の知的障害の男性(34)は「がんばって働きたい」と話す。増田正人・法政大多摩学生センター長は「障害者が学内で働く意味を学生が学びとってほしい」と福祉への理解の広がりを期待する。 食堂は大学生協が運営していたが、2009年から大学側が経営の見直しを検討。福祉や地産地消、地域との交流拠点づくりをめざして昨年9月、日野市で障害者の作業所などを運営するNPO法人「やまぼうし」と契約した。やまぼうしは障害者によるパンの製造や販売、日野市内の明星大でも障害者が働くカフェの営業に取り組む。 2月から改修を進め、4月にオープンした。メニューは日替わりプレート(500円)や麺類、カレー、ドリンクなど。震災の影響で開業セレモニーは遅れ、5月下旬の開催となった。 運営にあたり、やまぼうしや地域の団体、教員、学生で協議会を設けた。やまぼうしの伊藤勲理事長(66)は「障害者がともに生き、働く社会をめざしている。地域の方に寄ってもらえる店にしたい」と話す。 カフェには協力団体などが臨時に出店できるスペースも設けた。準備に携わった現代福祉学部3年の原美菜子さん(21)は「雰囲気がおしゃれで、デザートは女子学生に好評。学内に食堂は複数あるので、魅力を広めたい」。協議会副代表の平塚真樹・社会学部教授は「事業を通し、大学と地域の双方を豊かにしたい」と話す。営業は平日のみで、午前11時〜午後7時半。(金子元希)
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